皇族の「側室制度・復活」発言は本当?

charis2005-11-05

[時事問題] 皇族の「側室制度の復活」発言はなぜ載らない?


(挿絵は誰でしょう? 答は、ギリシア神話の王ゼウス。「ヒゲの王様」ではありませんよ。ゼウスは子供を産ませた女神や人間女性が多すぎて、一枚の紙に家系図は書けません。「側室」なんて小せえ小せえ。神話の王は雄大です。)


ブログに時事ネタは書かないつもりでしたが、今回はちょっと驚いたので、例外。11月4日の「毎日新聞」によれば、皇族の一人(天皇の従兄弟)である三笠宮寛仁親王が、女性天皇に反対する意見を述べたそうです。それによれば、彼は対案として、(1)元皇族の皇籍復帰、(2)女性皇族に養子を認める、(3)廃絶になった宮家の祭祀の再興、(4)側室制度の復活、の4点を挙げています。以下の「電子版・毎日」で読めます。↓
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20051104k0000m040028000c.html


しかし「読売」や「朝日」は、上記の(1)〜(3)は同じですが、(4)は載っていないようです。「毎日」が(4)を勝手に「創作した」とも考えにくいので、他紙は(4)を非常にまずい発言とみなして伏せたのかもしれません。しかし、もしそうだとすれば、これは報道機関の姿勢として非常に疑問。有識者会議の議論に対して、皇族が意思表示したことを伝えるならば、一部カットなどしないで正確に伝えるべきでしょう。


憲法第2条に「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とあるので、皇位継承は国会が決める事項であり、皇室が自分で決めることはできない。だから、皇族がこの問題について公的に発言することは難しい。有識者会議が「皇族の意見を聴取しない」というのは、このような憲法上の意味で言われるのでしょう。その意味では、寛仁親王の発言は大いに問題がありますが、しかし、新聞がその一部を伏せて報道するとしたら、その「配慮」自体がさらなる「ねじれ」を付加することになります。


昨年5月に、皇太子は「雅子のキャリアや人格を否定するような動きがあった」と述べて、雅子妃を擁護しましたね。でも皇族自身から「側室制度の復活」という発言が出たとすれば、皇太子や雅子妃は当惑するでしょう。ヨーロッパの王室もそうですが、現代の皇室は「国民が自己投影できる」存在であることが必要です。「側室制度」が認められるはずもありませんが、しかし皇族が本当にそう言ったのなら、新聞は「及び腰」でない報道をしてほしいものです。