今日の絵(4) 3月前半

[今日の絵4] 3月前半

3.1 Sandro Botticelli : Self Portrait, 1475

大きな絵の一部だが、ボッティチェリ(c.1445~1510)の自画像と言われている、30歳前の美しい青年だ、眼など強いものを感じさせる

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2 Raffaello : Self Portrait, c.1505

ラファエロ(1483~1520)の20歳少し過ぎ頃の自画像、美しい青年だが、どこか女性的で優美な感じがする

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3 Dominique Ingles : Autoportrait, 1804

フランスの新古典主義の画家アングル(1780~1867)、24歳のときの自画像、美しい青年だが、やはり眼などに強いもののを感じさせる

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4 Pablo Picasso:Self-Portrait, 1896

ピカソ(1881~1973)15歳のときの自画像、後年の画風とは違うが、この年でこれだけのものを描くのは、やはり天才

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5 Zinaida Serebriakova : Self-portrait, 1911

ジナイーダ・セレブリャコワ(1884~1967)は、ロシアの印象派画家、26歳のときの自画像、姿勢や光りの当て方など工夫している

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6渡抜亮 : 照らされた影、2010

綿抜亮1981~は写実の画家、ドイツのドレスデンファン・エイクの祭壇画などを模写して学んだ人、「照らされた影」というタイトルは、ヘーゲルの著作から採ったという、今日からの4枚の絵、女性のがどう描かれているかが興味深い、たぶん人物画のは非常に重要なのだ

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7小尾修:雫、2021

私は今年の2月17日に茅場町のGallery Suchi「水と油―小尾修・永山裕子 二人展」でこの画を見た、横顔、黒髪と手指の流れ、腹部から腰への流れなど、とても美しい、小尾修(1965~)は写実の画家、白日会会員

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8 生島浩 : 月虹、2012

生島浩1958~は写実の画家、ヨーロッパで長くフェルメールの模写など研鑽を積んだ人、生島の絵はどれも人間の肌が際立って美しい、手、肩、顔で形成される姿勢の美しさ、全体の配色が作り出す落ち着いた気品

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10 中山忠彦 : 幻裳(げんしょう)、1985

中山忠彦1935~は、森本草介野田弘志と並んで戦後の写実絵画を領導した一人、1963年に写生旅行で出逢った若林良枝と65年に結婚し、以後はほぼ妻だけを描き続けた、女性は裸体よりも衣服姿の方が美しいという考えで、ヨーロッパのアンティークドレスを苦労して収集

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11 Fra Angelico : Head of an Angel,1445~50

祭壇画の一部、「フラ・アンジェリコ」(1393頃~1455)は通称で、「天使のような修道士」という意味、彼の人柄を言っているのだろうが、彼の描く天使はとても優しい、その顔を見ていると癒される

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12 Filippo Lippi : 聖ベルナルドに現われた聖母、c.1486

リッピ(1406~69)は修道士だった50歳頃に23歳の美人修道女を誘い出して自宅で同棲、修道院を追放されたがパトロンのメジチ家のとりなしで教皇が還俗を認め彼女と結婚、彼の描く女性や天使は特有の美しさがあり、この絵も聖母の後にいる天使たちが美しい

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13 Raffaello : Madonna(detail), 1512

ラファエロ晩年の大作『システィーナの聖母』の一部、マリアの足元にいる二人の天使はとてもかわいい、フィリポ・リッピの描く天使はみな美少年だが、こちらは幼児だろうか

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14 Tiziano Vecellio : Flora, 1515

「フローラ」はローマ神話で花と春と豊饒の女神、彼女の優美で豊饒な美しさ、ぱっちりした目は「ウルビノのヴィーナス」とも似ている、ともにウフィツィ美術館で人気の作品

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15 Johannes Vermeer : Saint Praxedis, c.1659

フェルメール最初期の真作と言われているが、描かれているのは日常の人物ではない、古代ローマ時代の殉教者の血を海綿に沁み込ませ、それを聖プラクセディスと呼ばれる女性が絞っている、この絵が1943年にニューヨークの小さなオークションで見つかるまで来歴不明

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