折々の言葉(7)  1、2月ぶん

[折々の言葉]  12月ぶん

 

いつも自分たちのことしか考えていない二人か三人の恋人や友達のちっぽけな世界から、何か教わることがあるのかね? いえ、人類を愛することを教わります。大きな社会では人間を憎むことしか教わりませんから。(ルソー『新エロイーズ』) 1.6

 

短剣のような言葉は用いても、用いるのは言葉だけだ。(シェイクスピアハムレット』) 9

 

自由はどこまで行っても幸福なものだ。その代わりどこまで行っても片付かないものだ、だから物足りないものだ。(漱石『明暗』)13

 

死とは、モーツアルトを聴けなくなることです。(アルバート・アインシュタイン) 2.4

 

個別的にはどれも笑わせない似ている二つの顔も、いっしょになると、その相似によって笑わせる。(パスカル『パンセ』) 2.6

 

ハムレットは結婚したくなかったのだろう。ハムレットは一人しかいないかもしれないが、あれに似た人はたくさんいる。(漱石三四郎』) 2.10

 

「自分の感情や衝動を自由への愛のみによって規制することに努める人は、できるかぎり徳や徳の原因を認識し・・そこから生じる満足によって心を満たすように努めるだろう。しかも人間の欠点について考察したり、人間を軽蔑し、見せかけの自由を喜んだりすることは決してないだろう」(スピノザ『エチカ』第4部定理10)2.20

 

社交とは、厳密な意味で人間が感情を共有する行為である。そこでは中間的な距離を置いて関わり合う人間が、一定の時間、空間を限って、適度に抑制された感情を穏やかに共有する。・・社交はあらゆる道徳的な命令に対して中立的であり、むしろ倫理への反抗を逆転させて野蛮を防ぐ奸智といえる。(山崎正和『社交する人間』) 2.24

 

彼女はベッドの中で彼と親密に話をする行為そのものが好きだった。・・・だがその彼女はもういなくなってしまうのだ。彼にとって何よりつらいのは、性行為そのものよりはむしろ、彼女との親密な時間を共有することができなくなることかもしれない。(村上春樹シェエラザード』) 2.27