[折々の写真] 5,6月

[折々の写真] 5,6月

5.1ルネ・ファルコネッティ1892-1946は、ドライヤー『裁かるるジャンヌ』1928で主演、端正な美女で、もともとは喜劇系映画や舞台の人、1927年に描かれた絵が、日本のポーラ美術館にある。4分の動画、裁判中のジャンヌがすばらしい

The Passion of Joan of Arc 1928 | Carl Theodore Dreyer (youtube.com)

 

5.8 ロベール・ブレッソンジャンヌ・ダルク裁判』1962

フロランス・カレ1942~は、知的な少女の美しさが前景化したジャンヌ、本名はFlorence Delay。20歳でただ一度この映画に出ただけで、学者に転身したのも頷ける、スペイン文学を講じるパリ第三大学教授。画像は最後だけだが2分の動画

The Trial of Joan of Arc (1962) trailer (youtube.com)

 

5.15 イレーネ・ジャコブ1966~、キェシロフスキ『ふたりのベロニカ』1991は美しい映画だ、知性的な少女の耀き、ワイダと違ってポーランドの政治があまり描かれていないように見えるが、細部をよく見るとそうでもない、ワルシャワの大学でデモをする友人たちの中に立ち尽くす彼女、3分の動画

Beauty of Veronique / The Double Life Of Veronique (1991) (youtube.com)

 

5.22  J.ジャームッシュストレンジャー・ザン・パラダイス1984

ハンガリーの田舎娘エヴァ(エスター・バリント1966~)がいい、当時18歳、ハリウッド女優と違う雰囲気、冴えないアメリカ人の若者と三人で大陸横断ドライブする、そのさっぱりした感じが可愛い、1986年に観た時、とても新鮮だった。動画

映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」w:738版予告編 (youtube.com)

 

5.29 今泉力哉『街の上で』2021は、瑞々しい恋愛映画。私の生まれ育った街、下北沢が舞台なのも好きな理由。主人公の青(若葉竜也)が恋をするイハ(中田青渚)が素敵で可愛い。彼女は小津映画のように机を挟んで彼と一晩語りあかす。そこら辺にいそうな普通の女の子たちが、こんなに可愛いとは! 二人が語り合う1分半の動画

映画『街の上で』予告編 (youtube.com)

 

6.5 『ハムレット』映画版は名作が多いが、旧ソ連のコージンツェフ監督1964が断然よい。ハムレットが宮廷で孤立してゆく政治劇として描き、全篇、美と恐怖が張りつめている。ハムレット役のインノケンティ・スモクトゥノフスキー、オフィーリア役のアナスタシア・ヴェルチンスカヤが素晴らしい。

オフィーリアを中心とした12分の動画

Great Russian actress plays Ophelia (English subs) (youtube.com)

 

6.12 『リア王』映画版もコージンツェフ監督1971が特にいい。全篇に張りつめる恐怖、愛のアレゴリーとしてのコーディリアが、冬の夜空に光る小さな星のように美しい。リア役のユーリ・ヤルベットと、コーディリア役のバレンチナ・シェンドリコワ、ともに名演。

全篇2時間強の動画が

King Lear - Grigori Kozintsev - Jüri Järvet - Shakespeare - 1970 - HD Restored - 4K (youtube.com)

 

6.19 桑野通子1915-46『淑女は何を忘れたか』1937は小津映画の傑作、桑野通子の魅力に負うところが大きい、東京の大学教授の家に大阪から姪が上京、彼女はいい家のお嬢様なのに、わざと不良っぽく振る舞う知的なモダン・ガール、大学生役の佐野周二も若い、短い動画 (2) 動画 | Facebook

 

6.26 ブリジット・バルドー1934~は、ロジェ・バディム『素直な悪女』1956が一番美しい。原題「Et Dieu... créa la femme (そして神は…女を創造された)」がいい、「女」は神という芸術家の作品。人間の芸術家にはとても創造できない傑作。2分の動画

Et Dieu… créa la femme (1956) Bande Annonce VF (youtube.com)