[今日の絵・8月前半]
1 Andrey Dareev : July. Ribes
タイトルは「7月、スグリの実」、ロシアの7月は夏だけれど、涼しそう、子どもたちも若い母と一緒にスグリの実を集めている、これがロシアの夏、アンドレイ・ダレエフは現代ロシアの画家
2 Jean Frédéric Bazille : Scène d’été 1869
バジール1841-70はフランス印象派の画家、28歳で死去、絵画は70点のみ、この「夏のシーン」はとても生き生きと水浴が描かれており、「現代の光景だ」と言われても違和感がない、ただ、男だけなのは、この頃の水浴は男女別が普通だったのか
3溪斎英泉 : 東都両国橋夕涼之景色 天保期1830-43
江戸時代から、隅田川の花火大会は盛り上がっていた、ヨーロッパの都市でも花火大会は夏の風物詩、舟の人たちはとても楽しそうだし、橋も人でぎっしり、溪斎英泉(けいさい えいせん1791-1848)は浮世絵師で春画、好色本の絵などで名高い
4 Ferruccio Scattola:La Festa del Redentore a Venezia
ベネチアの夏の風物詩レデントーレ祭は、毎年7月の第3日曜日、この絵は、手前の舟の明かり、二つの橋と人、遠くの明かり、花火と、奥行きが美しい、スカトーラ1873 – 1950はイタリアの画家、風景画をたくさん描いた
5クールベ:アルプスの大パノラマ1877
労働の絵で名高いクールベ1819-77は風景画もたくさんある、これはアルプスの大パノラマだが、左下には人間がいる、生きる人間をこそ描いた彼らしい風景画
6 エイリッフ・ペーテシェン : サンドーの夏の夜1884
「サンドー」というのはオスロの近郊と思われる、緯度が高く、夏の夜でも本が読めるほど明るい、ペーテシェン1852-1918はノルウェーの画家、風景画に「ノルウェー国民ロマン主義」を初めて表現した人といわれる
7 John Duncan Ferguson : Summer 1914
タイトルはただ「夏」、ファーガソン1874-1961 はスコットランドの画家、彫刻家、マティスやピカソとも交友があった、肉体の立体感など、キュビズムの影響もあるかもしれない
8 Stanley Cursiter :A Summer Night, 1923
タイトルは「夏の夜」、「夏」は夜の室内にもやってくる、外が明るく、そのことだけで室内の雰囲気を変えてしまうから。カーシター1887–1976はスコットランドの画家、描く光景の「光」に特徴がある
9 Deborah Bays : Summer Solitude 2006
デボラ・ベイズ1951~はアメリカの女性画家、劇場やオペラの衣装デザインも行った、これは「夏の孤独」を描いた人物画、少女は外出するつもりだったが、強い日差しを避けて室内で読書か、でも外のことが気になって集中できない
10 Evelyn Page : Summer Morn 1929
タイトルは「夏の朝」、戦前は水浴や水泳は男女別々に行われていたようだ、だから男性はいない、手前の女性の裸体は美しいのだろう、ボートの女性が「真顔で見つめている」、エヴリン・ペイジ1899-1988はニュージーランドの女性画家、女性の生き生きした姿をたくさん描いた
11 Felix Elie Tobeen : La Nageuse
タイトルは「女子水泳選手」くらいの意味か、彼女は肩や手の直線性、顔の表情からして泳ぎの達人、夏である、かなり波がある・・、単純な一枚の絵もたくさんのことを語っている、トビーン1880-1920はフランスの画家、ピカソ、ブラック、デュシャン兄弟と交友があり、海と森を愛した
12 Jhon Hammond : Summer in the City
「都市の夏」だが、イギリスなので涼しい感じがする、いかにもヨーロッパの街の雰囲気だろうか、ジョン・ハモンド1961-2023はイギリスの風景画家、アクリル画の第一人者といわれる
13 Emily McCormack:Summers Evening Stroll in Dublin Cityscape
ダブリンだから緯度は高く、夏でも涼しそう、でも夕方も空は十分に明るく、濡れた道路に空が青く映り、青がさらに拡散している、人々は立ちどまったり、ゆっくり歩いている、エミリー・マコーマックは現代アイルランドの女性画家