[今日の絵] 9月後半


15 Botticelli : Portrait of Dante 1495
ボッティチェリ1445-1510は、ダンテ1265-1321の熱烈な崇拝者だが、ダンテを直接知らないから、例えばダンテと同時代のジョット1267-1337のダンテ肖像画(右)などを元に描いたのか、どちらの表情も鋭いが、やはり違う

16 Hans Holbein : Sir Thomas More 1527
ロンドン滞在中のホルバインが、モアの依頼で描いた。ヘンリー8世から贈られていた「エセスの首輪」を身に着けているが、その後、ヘンリー8世のイギリス国教会設立を強く批判し、モアは処刑された、いかにも信念を貫く気骨の人らしい相貌

17 ベラスケス : 14歳のマリア・テレサ王女1652
王女はフィリペ四世の娘で、唯一の成人した子。王女の威厳、髪、衣服、宝石のバランス、左手のハンケチ、背後の影の描き方など、画家1599-1660晩年の傑作の一つ、王女の眼差しがすばらしい、かすかな憂いも感じられるか

18 Jean-Baptiste Greuze : Portrait of Benjamin Franklin 1780s
ジャン・バティスト・グルーズ1725-1805はフランスの画家、宮廷風俗よりは市民生活を多く描き、ディドロに称賛された、このフランクリンも、人生そのものが刻まれているような顔

19 Franz Xaver Winterhalter : Albert Edward, Prince of Wales (King Edward Vll) 1846
エドワード7世1841-1910は、ヴィクトリア女王の長期在位のため、長い間プリンス・オブ・ウェールズ(皇太子)の地位にあった、この絵は5歳の子供だが、顔は大人の風格もある

20 Eilif Peterssen : ヘンリック・イプセン 1895
ペーテシェン1852-1928はノルウェーの画家、人物やノルウェーの森や海を描いた。この絵のイプセン(1828-1906)は67歳、すでに大半の戯曲を書いた大家だった、イプセンは故国を嫌ってほとんどノルウェーにいなかったから、この絵はどこで描いたのだろう

21 Iosif Braz : チェーホフの肖像1898
ヨシフ・ブラーズ1873-1936はロシア系のユダヤ人画家、この絵は彼の若い時の作だが、チェホフの肖像としてはおそらく最高のもの、チェホフその人がこれほど完全に描かれた絵は他にないだろう

22 John Singer Sargent : Henry James 1913
米国の画家サージェント1856-1925は、肖像画で名高いが、1907年頃からは肖像画の注文を断っていたという、この絵はヘンリー・ジェイムズ70歳の記念に贈るために、彼の友人が特別に委託した、なるほど見事な肖像画の傑作だ

23 Yury Pen : シャガール像 1914
ユリー・ペン1854-1937はロシアのユダヤ人画家、シャガール1887-1985は彼の弟子だった、この絵は60歳の先生が27歳の弟子を描いた珍しいもの

24 Malcolm Liepke : Bob Dylan
マルコム・リエプケ1953~はアメリカの画家、現代の若者をたくさん描いている、具象画だが骨太な表現、このボブ・ディラン1941~も、若々しく精悍だが、傷つきやすい繊細さも表現されており、名画といえる、描いたリエプケも若いはず

25 Yuki Yokoo :
秋は収穫の季節、黄金色に実った稲の中に、シラサギが一羽ぽつんといて、自転車の影も大きく広がる。美しい日本の初秋。横尾勇樹は、東京芸術大学・先端芸術表現科卒業の若い画家

26ミレー : 晩鐘1859
遠くに見える教会の鐘の音を合図に、農民の夫婦が祈っている。ミレーは農家の生まれで、子供のころ、夕方の鐘が鳴ると、祖母は農作業の手をやめさせ、祈りをさせたという。その思い出か。豊かな収穫を喜んでいるのでもない。

27 Ignacio Díaz de Olano : 刈り取る農夫 1890
オラノ1860–1937はスペインの画家、人々の生活を生き生きと描いた、「刈り取り」の絵も多い、この絵は、鋭い鎌を手にした農夫がスックと立ち、嬉しそうにしている、収穫に大満足なのだろう、そして空も美しい

28 Jules Breton : 落穂拾いの招集1859
「落穂拾い」は女子供の仕事なのか、「招集」という言葉がそれを表している、でもみんな動きが活発。ジュール・ブルトン1827-1906はフランスの写実主義の画家、フランスの農民を生き生きと描いた

29 Julien Dupré : La Moisson 1887
タイトルは「収穫」、デュプレ1851-1910はフランスの画家、農民の生活をたくさん描いた、「収穫」の絵も多いのだが、おそらく画家は自分の好むモチーフがあって、繰り返し描くのだろう、刈入れをする女性は力感があって美しい

30 Pissarro : La Récolte des Foins, Éragny 1887
「干し草の刈入れ、エラニーにて」、エラニーは、ピサロが最晩年1884~1903を過ごした農村、ピサロは、プルードンやクロポトキンなどアナーキストの著作を読み、農民社会のユートピア的ビジョンをもっていた、この絵もどこかユートピア的なのかも