[演劇] デニス・ケリー『ガールズ&ボーイズ』新国

[演劇] デニス・ケリー『ガールズ&ボーイズ』新国小劇場  4.17

(一人芝居で、真飛聖[左]と増岡裕子が交互に演じる↓、私の観たのは増岡)

英国の劇作家の2018年作品。翻訳は小田島創志、演出は稲葉賀恵。私はこの舞台に大きな衝撃を受けた。(1)この演劇の主題性、(2)一人芝居の表現力の凄さ、という二重の意味において。今まで、一人芝居の表現力の凄さでは、三好十郎『殺意 ストリップショウ』の鈴木杏くらいしか記憶になかった。演劇の主題性という点でも、本作は卓越している。優秀だがまぁ普通の女性が、優秀だがまぁ普通の男性と結婚するが、妻の方が経済的にも成功するので、夫が嫉妬して、離婚になる。その後、離婚した夫は、妻への復讐のために幼い子ども二人を殺し、自分も自殺する。これを、日本によくある「無理心中」ではなく、夫という男性の暴力性の問題として告発しているのが、本作の核心だ。この作品を女性ではなく男性のデニス・ケリーが創作したということに、大きな意味がある。子どもを殺すまではいかなくても、離婚した夫が、妻や子どもたちに暴力をふるうという問題は、日本でも2024年に「共同親権」化された現在、大きな問題になっている。そういう意味でも、現時点における本作の上演はタイムリーだ。(写真↓は、子どもたちと遊ぶ母)

この作品の大きな特徴は、夫と子供たちを失った女性が、大きく悲しみはするけれど、しかしじきに立ち直って、また前向きに生きていこうとするその姿勢にある。(写真↓、彼女は、子どもと夫を失った後でも、過去の幸福を夢で再現しながら、また新しく生きていこうとする)

2分間の映像  ↓                                                                             

新国立劇場の演劇『ガールズ&ボーイズ』稽古場・演出家コメント映像