[今日の絵] 5月前半

5.1 Rembrandt : Rembrandt's Mother Reading1629
今日からは主題は<読む人>、<読む>とき、人には特有の表情が生じ、体勢も独特になる、だから画家は<読む人>を好んで描く。これはレンブラントの母、読んでいるのは大きな文字の聖書だろうか

2 Elisabetta Sirani : Sibilia
シラーニ1638-65はイタリアの女性画家、27歳で死んだが、すばらしい女性画を残しており、深い思索的表情をもつこの「Sibilia」もその一つ

3 Henry Robert Morland : Woman Reading by a Paper-Bell Shade
「紙製のベルの形をしたランプシェード」の明りと光が、読書する女性をやさしく照らし出す。モアランド1716-97は英国の画家

4 James Sant : The Novice 1856
タイトルは「初心者」、手にしている分厚い本の、中身は楽譜か、彼女は歌を学んでいるのだろう、何かを思案している視線、左上方から強い光が当たっている。サント1820-1916は英国の肖像画家、貴族の女性や子どもを多く描いた

5 Frederick Morgan : Good companion 1872
「Good companion」は一緒にいる子猫ちゃんだろう、子猫ちゃんと一緒に彼女はいったい何の本を読んでいるのか。モーガン1847-1927は米国の画家、楽しく遊んでいる子どもの絵をたくさん描いた

6 Winslow Homer: The New Novel 1877
タイトルは「新しい小説」、ジェイン・オースティンが反発していたように、この頃もまだ小説は、「女子供が読む、道徳的に好ましくない娯楽読み物」とされていたのか。ホーマー1836-1910は米国の画家

7 Maria R. Dixon : 読書しているボンネットを被った女性 19世紀末
彼女の楽しげな表情からして、読んでいるのは恋愛小説だろう。ディクソン1850-1896はアメリカの女性画家

8 画家不明 : DESCONOCIDO POR MI 19Ce
タイトルは「私には未知のもの」、手にしている本について言っているのか、二人は恋人かもしれないが、彼女の表情はかなりきつい

9 Marie Bashkirtseva : 読書する私
マリー・バシュキルツェワ1858-84はウクライナの貴族の家に生まれ、家族とパリに住み、25歳で亡くなった、貧しい少年たちの絵なども描いた、彼女は画集を見ているようだが、真剣な表情が美しい

10 Charles Burton Barber : Blonde and Brunette Pug 1879
タイトルは「ブロンドの女性とブルネットの犬」という意味か、実際に動物を膝に置いて本を読む事もあったろうが、絵の構図を面白くする為にそうする場合もあるだろう。バーバー1845-94は英国の画家で、子供が動物といる絵をたくさん描いた

11 Victor-Gabriel Gilbert : Young woman reading 19世紀
全体の構図、彼女の体勢、熱心に集中している表情、どれも美しい。ジルベール1847 –1933はフランスの画家で、パリで生活している人々の絵をたくさん描いた

12 Laura Theresa Alma Tadema : Exhausted after some heavy reading 1876
大きな本だ、読み慣れない本を頑張って読んだのか、感心なことだが、疲れて寝てしまった。アルマ=タデマ1852-1909は英国の女性画家、女性や子供をたくさん描いた

13 Elizabeth Nourse : Study 1891
二人の女性が、読み、聴き、考えている、その表情がいい。手にしているのは聖書だろうか。ナース1859-1938は米国の女性画家、深みのある人物画を描いた

14 Gustave Max Stevens : Quiet Pleasures 1898
タイトルは「静かな喜び」、お茶を淹れ、おいしいお菓子をつまみながら好きな本を読むのは、 最高の幸福だ。スティーブンス1871-1946はベルギーの画家、アールヌーボー風のイラストや、重厚で色彩の美しい油絵を描いた

15 James Sant : Light Thrown on a Dark Passage
顔や、暗い部分のある本に強い光が当たっているが、彼女の心の中もそうで、何か重大な発見があったのか、タイトルは「謎だった一節に差す光」になる、本を二冊重ねているのも、思索的な彼女らしい。サント1820-1916は英国の画家、肖像画で有名

16 Marie Laurencin : The Reader 1913
何を読んでいるのか分からないが、彼女が難しい顔をしているのがいい。マリー・ローランサン1883-1956はフランスの女性画家

17 Carl Larsson :
若い主婦だろうか、食堂で読んでいる、食堂は広いし、くつろげる。人さえいなければ、自室より読者にはよい場所かもしれない。ラーション1853-1919はスウェーデンの画家で、フランスの印象派から大きな影響を受けたとされる

18 Gerda Wegener : The rest, c 1922
彼女はうっとりとしている、読んでいる本はラクロ『危険な関係』1782、退廃的でエロい恋愛ゲームの古典小説、岩波文庫にもある、読者は女性に多いのか。描いたヴィグナー1899–1940はデンマークの女性画家

19 Pablo Picasso : Woman with book 1932
描かれているのは、ピカソの恋人マリー・テレーズ・ワルテル、官能性と知性が高度に統一された女性、彼女は1935年にピカソとの娘マヤを出産、しかし数か月後ピカソは新しい恋人ドラ・マールと交際を開始

20 Ivan G. Olinsky: The Poetry reading 1939
詩を朗読している、手前の女性の瞑想的な表情がいい、古代ヨーロッパではそもそも本は黙読ではなく朗読が原則だった、その伝統がいくぶん生きているのが詩だろう、オリンスキー1878-1962はウクライナ生まれの米国の画家、女性肖像画で名高い

21 Pino Daeni : Love StoryⅡ
タイトルは「ラブストーリーⅡ」、彼女は「ラブストーリーⅠ」の続きを読んでいるのだろう、真剣な表情がいい、ピノ・ダエニ1939-2010はイタリア系アメリカ人の画家、美しい女性をたくさん描いた

22 Jenna Gribbon : If a woman reads a book in the forest but no one is there to see it 2020
タイトルがいい「森の中で誰にも見られずに読書すると[お行儀が悪くなる?]」、彼女は人に知られたくない本を読んでいるのか、表情が険しいのがいい、グリボン1978~はアメリカの女性画家、やや恐い顔の女性を多く描く