[今日の絵] 6月前半

[今日の絵] 6月前半

1 Francesco Bergamini : Vida de Pueblo

今日からは裏町の光景。裏町は生活感に溢れている。この絵のタイトルは「村(町)の生活」、どこの国か分からないが、大都市ではなく田舎の小さな町だろう、人々は貧しそうだが、明るい活気を感じさせる。ベルガミーニ1815-1900はイタリアの風俗画家

 

2 Johan Barthold Jongkind : ランデルノーの聖トマス通り1851

ランデルノーはフランスのブルターニュ地方の小さな町、「聖トマス通り」と立派な名前だが、普通の裏通りだろう、でも肉屋や人々に活気がある。ヨンキント1819-1891はオランダの風俗画家、町や村をたくさん描いた

 

3 Anton Burger : in Frankfurt

昨日のランブルノーと違ってフランクフルトは大都市だが、裏通りは意外に似ている、でも裕福な商人らしき人達も裏通りを歩いているのは、さすが商業都市か、売り子らしい少女が猫と一緒に座っている、小さな古道具屋もある。ブルガー1824-1905はドイツで人気の風景画家

 

4 Paul Weber : 朝の光の中のオレヴァーノ・ロマーノ1887

オレヴァーノ・ロマーノはイタリアの高地にある小さな町、空が広く朝日を受けて全体が明るい、馬車も馬も大都市とはずいぶん違う。ウェーバー1823-1916はドイツの風景画家、アメリカにも住んだ

 

5 Victor Gabriel Gilbert: The Fruit Seller

タイトルは「果物売り」だが野菜も売っているようだ、おそらくはパリの、この裏通りは、固定した小売店ではなく露店が並ぶのか、それぞれの露店は意外に明るい。ジルベール1847-1933はフランスの画家で、パリの市場をたくさん描いた人

 

6 Vincenzo Migliaro : Primavera 1900

タイトルは「春」だが、大都市の裏通り、奥は港まで見えており、ナポリだろうか、裏路地の右側が古美術商なのがいい。ミリアーロ1858-1938はナポリ生まれのイタリア人画家

 

7 Luigi Loir : La Serenata

ロワール1845-1916はオーストリア生まれで、パリの光景をたくさん描いた、これは珍しい裏通りの絵、古美術商らしい右手二階の窓の女性にセレナードを歌っている、求愛ではなく、こうやって投げ銭をもらうのか、子どもも聞いていて、パリはやはり裏通りも「芸術の都」

 

8 Ettore Roesler Franz

フランツ1845-1907はイタリアの画家、都市をたくさん描いた、裏通りも好きだったようで、人々が生き生きとしている、細い通りを跨いで洗濯物を干すのはヨーロッパでも南方の都市か、金持ちは裏通りに住まないだろうから、まぁ庶民の習慣だろう

 

9 Alfredo Roque Gameiro : アルファマのサンミゲル通り 1925

アルファマはリスボンの旧市街、楽器を手に歌ったり、陽気な雰囲気がいい、毛布か絨毯だろうかカラフルなのも楽しい。ガメイロ1864–1935はポルトガルの画家、都市、港湾、群衆などを描いた

 

10 William Herbert Allen: 大陸の通りの風景

アレン1863-1943はイギリスの風景画家、屋外の絵が多く、空を含めた光と影の描き方に特徴がある、この絵はヨーロッパのどこかの都市の裏通りだろう。狭い裏通りなのに、明るい空、屋根、窓、外壁など、調和と気品が感じられる裏町だ

 

11 松本俊介1912-48 : ゴミ捨て場付近 1942年頃

松本が住んでいた東京・下落合の裏町、右側の建物は目白変電所、彼が描く東京の街はどれも荒涼として寂しいが、それは東京という街の本質の一つだろう、彼は軍部の美術への干渉に抵抗した画家でもあった

 

12 画家不詳 : ペルーの絵「朝の裏路地」

いつの絵か分からないが、服装からして20世紀前半だろうか。人々は概して貧しいのだろうが、雰囲気は明るく、ゆったりと歩く姿がとてもいい

 

13 Clark Hulings : Street Repairs 1968

ヒューリングス1922-2011はアメリカの画家、路地裏をたくさん描いた、これは「道路の修理」だから、手前に積まれた石が関係ありそう、洗濯物にカラフルが少し混じるのも1968年だからか

 

14 アレクサンダー・ミラー1960~

ミラーは現代イギリスの画家で、労働者階級をたくさん描いている。この絵も、工場地帯にある労働者住宅の裏通り、洗濯物はいかにもだが、左下で遊んでいる子どもがおしゃれに見えるのは不思議

 

15 Igor Shcherbakov : Afternoon Walk

街は古いが最近の絵、午後といっても影が長い、緯度の高い場所の街だろう、裏路地にはたいがい子どもがいるのだが、ここにはいない、ロシアも高齢化社会なのだろう。イーゴリ・シェルバコフ1990~は現代ロシアの画家