2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「踊るサテュロス」展

[展覧会] 2.27 「踊るサテュロス」特別展 東京国立博物館・表慶館 1998年にシチリア沖で魚網にかかった、紀元前2−3世紀のブロンズ像。2000年以上も海底で眠っていた実物を見た人はまだ少ないわけだ。ああ、美しい! これは少年の体だ。張った胸、開いた…

誓子(1)

[俳句] 山口誓子(1)「美学日誌」のはずだったが、どうも「論」に傾きがちで、好きな詩歌の私家版アンソロジーはなかなか進まない。ゆっくり読み返してからと思ったが、日誌の課題として「鑑賞」しながら読み返してゆきたい。好きだけれど、けっして真似ので…

A.ベルク『ルル』

[オペラ] 2.14 アルバン・ベルク『ルル』 D.パウントニー演出 新国立 直前に2幕版に変更になったが、3幕版に比べるとつまらない。そのせいか、客の入りが悪い。最前列中央の席で、オペラ鑑賞としては最適ではないが、演出や歌手の問題点がよく分かった。…

『脳はなぜ心を作ったのか』(3)

[読書] 前野隆司『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房、'04年11月) 人間とロボットの共生社会はありえるだろうか? (1) 前野氏は、未来の社会においては大量の「心をもつロボット」たちが人間と一緒に暮らし、ロボットの人権も大切にされるだろうと述…

『脳はなぜ心を作ったのか』(2)

[読書] 前野隆司 『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房、'04.11月) 「錯覚」という言葉で心身関係を表現してよいのか? (1) 前野氏は、心が外界を表象するのは「錯覚」であると考える。「錯覚」は本書のキーワードで、「あなたが自分の意志で目の前の…

『脳はなぜ心を作ったのか』(1)

[読書] 前野隆司 『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房、'04.11月)明晰で面白い本なので、アマゾンのレヴューに書き残した論点を。評者は、知覚に伴う<私>という「意識」が受動的に体験されるという前野氏の主張には賛成。だがそれは、「意識」が主…