2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

[今日の絵] 10月後半

[今日の絵] 10月後半 17 Velázquez : Head of Child 1650 子どもが絵の主題になるのは、大人と違う美しさをもっているからだ。だが子供を描くのは、大人以上に難しい。おとなしく座っていないし、類型化されない「その子だけの美しさ」は、大人の美以上に捉…

今日のうた(150)  10月ぶん

今日のうた(150) 10月ぶん 太陽がうまく見えないこの部屋でわたしたちだけの神話を記す (奥山いずみ「東京新聞歌壇」10月1日、東直子選、「太陽の当たらない部屋と神話の組み合わせは、「古事記」の天岩戸を彷彿させる。暗い部屋での「わたしたち」の特別な…

[演劇] ムヌーシュキン 太陽劇団『金夢島』

[演劇] ムヌーシュキン 太陽劇団『金夢島』 東京芸術劇場 10月24日 ムヌーシュキンは、映画『モリエール』、『堤防の上の鼓手』2001新国の二つしか見たことないが、今回、83歳になる彼女の最新作を観られた。宮崎駿『君たちはどう生きるか』が、この世の終り…

[折々の言葉]  9.10月ぶん

[折々の言葉] 9.10月ぶん 運命というものは、気まぐれもので、ここかしこと跳び回りたがるのだから、私たちが自分一人だけは無関係で、幸せでいられるなんて、思ってはダメ。(エウリピデス『トロイアの女たち』)9.1 ほしいものを手に入れようと学問にいそ…

[美術展] 国立西洋美術館 「キュビズム展」

[美術展] キュビズム展 国立西洋美術館 10月18日 「キュビズム」というと狭義には「立方体」のように、平面でバッサリ切り通るピカソやブラックの絵を思い浮かべるが、広義の「キュビズム」には前史があり、量感のある肉体を描いたセザンヌ、プリミティブな…

[美術展] ホキ美術館 「瞳の奥にあるもの」

[美術展] ホキ美術館 「瞳の奥にあるもの」 10月16日 コロナ中は少し間隔が空いたこともあり、久しぶりに、千葉のホキ美術館へ。毎回、見るたびに、<人間という存在そのものの美しさ>に、魂が揺さぶられる。今回、初めて見る新作を6点ばかり挙げる。 ・五…

[オペラ] ヴェルディ《ドン・カルロ》 ロッテ・デ・ベア演出

[オペラ] ヴェルディ《ドン・カルロ》二期会 東京文化会館 10月14日 (写真↓上は第3幕、歌うエボリ公女[手前]、下は同、粛清の場面、後方に立っているのは囚人たち) ロッテ・デ・ベア演出の非常に斬新な舞台。2019年シュトゥットガルト歌劇場で初演されたもの…

[今日の絵] 10月前半

[今日の絵 10月前半] 1 John Singer Sargent : Portrait of Alice Brisbane Thursby 1897 男性より女性の人物画の方が多いのは、女性は美しいと画家が考えるからだろうか。この絵は、画家サージェントのパトロン的立場の女性を描いた可能性があるが、「凝視…

[折々の写真] 9・10月

[折々の写真 9・10月] 9.6『はちどり』2018 私が観た韓国映画の中では最高傑作。14歳のウニ(パク・ジフ)は家族愛に恵まれずグレかけたが、漢文塾の教師ヨンジ(キム・セビョク)と出会い救われる、ヨンジはソウル大院生のエリートだが学生運動で挫折した、彼女…

[演劇] モリエール『女学者たち』

[演劇] モリエール『女学者たち』 新ゆりシアター 10月7日 五戸真理枝演出が非常によかった。シモン・エーヌ演出のコメディ・フランセーズ版DVDで何度か見ているのだが、この作品の<面白さ>という点では、本上演が上ではないか。その理由の一つは、演出…