2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

[私の百人一首] その2

[私の百人一首] その2 34 楽しみは妻子(めこ)睦まじくうちつどひ頭(かしら)並べてものを食ふ時 (橘曙覧(あけみ)「独楽吟」、作者1812-68は幕末の歌人、国学者、平易な歌を詠んだ、この歌も家族愛がほほえましい) 35 君とわがたゞ身二つのかくれ里かくれはつ…

[哲学] 植村恒一郎:「人生よ、自由な遊びであれ ― 『ラモーの甥』から『推し、燃ゆ』まで」

[哲学] 植村恒一郎:「人生よ、自由な遊びであれ ― 『ラモーの甥』から『推し、燃ゆ』まで」 (『ひとおもい』第5号、2023年7月) 序 ディドロ『ラモーの甥』は、彼の死後、たまたま原稿を読んだゲーテが感動し、自分でドイツ語に訳して出版したことによって日…

[折々の写真] 1、2月

[折々の写真] 1、2月 1.3 カトリーヌ・ドヌーブ1943~、『シェルブールの雨傘』1964 ドヌーブは、本作とトリュフォー『終電車』1980が、代表作と思われるが、顔の美しさもさることながら、全身に溢れるエレガンスこそ彼女の魅力、4分間の動画 「シェルブール…

[折々の言葉] 1、2月ぶん

[折々の言葉] 1、2月ぶん 哲学(=知を愛すること)は、その名前を、一方では、愛から、つまりあまねき恍惚という原理から、他方では、その本来の目的である根源的な知から、得ている。(シェリング『自由論』) 1.1 愛というのは単純に肯定し合うことではなく、…

[今日の絵] 2月後半

[今日の絵] 2月後半 16 ラファエロ : 聖家族1506 「聖家族」は西洋絵画の長く続く深い主題、聖母マリアと幼子のイエスは、母が子を生み人類は続いてゆくことを象徴するか、父のヨセフはいることもあり、いないこともあり、子どもの洗礼者ヨハネがいることも…

[哲学] 谷口一平:「マイナス内包」としての性自認の構成

[哲学] 谷口一平:「マイナス内包」としての性自認の構成 『情況』2024冬号 大変に面白い優れた哲学論文。ただし、植村はその主張内容は誤っていると思うので、その部分のみを「反論」として以下に箇条書きにする。(引用数字は『情況』の頁数) (1) 「「性自…

[演劇] 寺山修司『不思議な国のエロス』

[演劇] 寺山修司『不思議な国のエロス』 新国 2月19日 (写真↓は舞台) 寺山修司が1965年に、浅利慶太の要請で日生劇場のために、アリストパネス『女の平和』をミュージカル化したものらしい(日生劇場では上演されず、2014年にSpace早稲田で初演? 正確には知…

[演劇] T・ウィリアムズ『欲望という名の電車』 鄭義信演出

[演劇] T・ウィリアムズ『欲望という名の電車』 鄭義信演出 新国立劇場 2月15日 (写真↓は、ブランチ[沢尻エリカ]、スタン[伊藤英明]、ステラ[清水葉月]、ともに名演) 鄭義信演出が非常にいい。笑わせる滑稽な部分を強調するが、チェホフと同様、笑いが深けれ…

[演劇] 女歌舞伎『小栗判官と照手姫』 Project Nyx

[演劇] 女歌舞伎『小栗判官と照手姫』 Project Nyx 下北沢 ザ・スズナリ 2月13日 (写真↓は舞台、雰囲気が明るくて楽しい) 「女歌舞伎」というのがいい。出雲のお国が歌舞伎を創始した江戸の初期は、「女歌舞伎」だったのだから。とにかく素晴らしい舞台だ。…

[今日の絵] 2月前半

[今日の絵] 2月前半 1 ダヴィンチ : モナリザ1505頃 写真を撮るとき、よく「はい、チーズ」とか言いますね。すこし<笑む>感じの顔が、人間、いちばん<いい顔>なのだろうか。女性の人物画は、「かすかに微笑んでいる」「少し笑っている」顔が多いような…

[オペラ] ダニエル・カターン≪アマゾンのフロレンシア≫ Metライブ

[オペラ] ダニエル・カターン≪アマゾンのフロレンシア≫ Metライブ Movixさいたま 2月7日 (舞台↓、台本は、ガルシア・マルケスの弟子のマルセラ・フエンテス=ベレン、なるほどマジック・リアリズムに溢れている) メキシコ人作曲家によるスペイン語のオペラで…

[演劇] シェイクスピア『オセロー』 こまばアゴラ劇場

[演劇] シェイクスピア『オセロー』 こまばアゴラ劇場 2月2日 (↑オセロ[佐藤滋]とデズデモーナ[伊東沙保]) 何よりもデズデモーナが伊東沙保なので観劇したが、彼女が一人二役でイアゴーも演じているのに驚愕。下記も、みな共役で、三人がそれぞれ、キャシオ…