2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

演劇版・カフカ『城』

[演劇] 1.28 カフカ『城』 松本修構成・演出 新国立小H 松本修は、『ガリレオの生涯』『三人姉妹』『ワーニャ叔父さん』、そしてカフカ『AMERIKA』を観たので、これが五回目か。台本無しで、長編小説『城』の各場面のワークショップをやりながら、舞台を作…

上毛新聞に書いたコラム(2)

[上毛新聞コラム] 「視点」 1月26日掲載 男女とも欲求に変化が(未婚率はなぜ上がる) 植村恒一郎 女性のキャリアを考える上で、「結婚」の問題は避けて通れない。大学に入りたての若者も、自分の結婚について漠然とした不安をもっているようだ。講義で次の…

『思想史の中の臨床心理学』(4)

[読書] 實川幹朗『思想史のなかの臨床心理学』(2004,10月 講談社) 第四章 無意識の宗教としての臨床心理学 (1) 思想史をふまえて、臨床心理学に含まれる本質的な問題が考察される。それは、意識化の原理と、言語のもつ無意識性との齟齬である。分析者と患者…

映画 『シルヴィア』

[映画] 1.22 「シルヴィア」 2003、イギリス映画 シネスイッチ銀座 上智大学の補講の帰り、銀座に寄る。ロードショーを観るのは久しぶり。詩人シルヴィア・プラス(1932-63)の伝記映画だが、この種の映画の難しさを痛感する。夫でその後英国の桂冠詩人となっ…

『思想史の中の臨床心理学』(3)

[読書] 實川幹朗『思想史のなかの臨床心理学』(2004,10月 講談社) 第三章 「意識の国」の臨床心理学 (1) 19世紀半ばに生じた「意識革命」は、コントやミルの実証主義から、ヘルムホルツ、マッハなどにおける物理学の基礎としての感覚心理学、そして、ブレン…

『思想史の中の臨床心理学』(2)

[読書] 實川幹朗『思想史のなかの臨床心理学』(2004,10月 講談社)第二章 意識はどう扱われてきたか(1) 精神分析は、無意識を意識にもたらすことが治療に結びつくと考え、そのような「意識の役割」に特別な機能を認める。ところが、西洋の中世以来の伝統にお…

『思想史の中の臨床心理学』(1)

[読書] 實川幹朗『思想史のなかの臨床心理学』(2004,10月 講談社) 優れた問題を提起している貴重な本だ。アマゾンにレヴューを書いたが、その各論を連載する。Ⅰ 第1章 「意識の学」としての精神分析(1) 今、日本で急速に影響力を強め、制度的地位を確立しつ…

上毛新聞に書いたコラム(1)

[上毛新聞・コラム 「視点」] 2004年11月28日群馬県の地方紙である「上毛新聞」に「視点」というコラムがあります。二ヶ月に一度くらい寄稿するので、新聞刊行後、ここにも載せます。新聞社の了解も得たので、まず初回のコラムを転載。第二回目以降も、順…