2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧
[演劇] 唐十郎『少女仮面』 シアター・トラム 1月30日 (写真↑は、左から、老婆(大西多摩惠)、宝塚の伝説的な男装スター春日野八千代(若村麻由美)、そして宝塚志望の少女・貝(木崎ゆりあ)、彼女たちの肉体は仮象であり、女優として成功すればするほど自分の肉…
[今日のうた] 1月ぶん (写真は原石鼎1886~1951、島根県出身で高濱虚子に師事、代表句「山の色釣り上げし鮎に動くかな」など色彩感覚に優れた句を詠んだ) 大濤(おおなみ)にをどり現れ初日の出 (高濱虚子、作者は、荒れる海で元日の初日の出を見たのだろう、日…
美と愛について(5) ― 恋に陥る瞬間、『ロミオとジュリエット』 恋に陥る瞬間 (↑「ロミオとジュリエット」でもっとも美しい瞬間、and palm to palm is holy palmers’ kiss・・と二人は手を触れ合う。黒白写真はジュディ・デンチ、1960年Old Vick座、一番下は…
美と愛について(4) ― 愛の受動性、トマス『神学大全』 前回、デカルトによれば、愛の感情のうち、美しいものへの愛は「快」であり、われわれは美しい異性に「恋をして」、それを激しく求めるとされた。情念(感情)passionは受動的passiveであり、それとほぼ同…
[演劇] ヴァン・ホーヴェ演出『イヴの総て』NTlive 恵比寿ガーデンシネマ 1月21日 (写真は↓、イヴ(L.アンダーソン)とマーゴ(G.アンダーソン)、そして舞台、マーゴの自宅の居間、台所、楽屋が舞台の上で一体の空間になっている) ホーヴェは『オセロ』『ヘッダ…
美と愛について(3) ― 愛の受動性、デカルト『情念論』 デカルトは『情念論』(1649)において、「愛amour」について論じている。ここでは「情念les passions」という言葉が使われているが、それは情念そのものが「受動的passif」であるがゆえに付けられた名で…
[映画] ウォン・カーウァイ『欲望の翼』 恵比寿ガーデンシネマ 1月14日 (写真↓は主人公ヨディ[レスリー・チャン]、そして冒頭、「今夜、夢で会おう」と売り子の少女スー[マギー・チャン]を誘惑するシーン) 1990年の作だが、1960年の香港に生きる「怒れる若者…
美と愛について(2) ― 愛の受動性、ピーパー『愛について』 たとえば、私たちは生れてきた赤ん坊を愛する。そのとき、私たち親が赤ん坊に愛を与え、贈っているのだろうか? 否、愛を贈るのは赤ん坊の方であり、私たちは愛を贈られるのである。 ドイツのカトリ…
[映画] 『パラサイト ― 半地下の家族』 TOHOシネマズ日比谷 1月7日 (写真はキム一家の住む半地下の家、朝鮮戦争時に作られた防空壕だが、現在でも住居として低所得の人々が住んでいるらしい、水圧の関係で水洗トイレが部屋の天井近くにあるのが悲しい、兄の…
美と愛について(1) ― はじめに 皆さん、明けましておめでとうございます。今年は私のブログ「charisの美学日誌」に、「美と愛について」というテーマで週に一回くらい連載したいと思います。一年くらいは続けられそうです。 (フィガロの結婚) 私はモーツァル…