2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

今日のうた(118)

[今日のうた] 2月ぶん (写真は窪田空穂1877~1967、日常生活の情景を詠み「境涯詠」と言われた、国文学者であり早大教授をつとめた) 冬山のふかき襞かなこころの翳 (飯田龍太1949、作者は山梨県の山村に居住している、この「冬山」は、家からすぐ見えていて…

今日の絵(3) 2月後半

[今日の絵3] 2月後半 2.17 Quentin Matsys : Portrait of Erasmus, 1517 エラスムスの研ぎ澄まされた知性が感じられる、クエンティン・マサイス(1466–1530)はフランドル地方の画家 18 Lucas Cranach : Martin Luther, 1526 これは“恐れを知らぬ革命家の顔”で…

[演劇] 秋元松代 『マニラ瑞穂記』

[演劇] 秋元松代『マニラ瑞穂記』 新国立劇場・小H 2月24日 (写真↓上は、東南アジアに娼婦として売られていった若い日本人女性たち、いわゆる「からゆきさん」、写真下、左は実在の人物村岡伊平治をモデルにした女衒[娼婦の人身売買業者]の秋岡、中央はマニ…

[オペラ] ワーグナー《タンホイザー》

[オペラ] ワーグナー《タンホイザー》 二期会 東京文化会館 2月21日 (写真↓は第2幕、中央がエリーザベト、以下の写真は、元の上演であるフランス国立ラン歌劇場(2013)のものも含む) キース・ウォーナー演出で、舞台の空間性の鮮やかな構成がとても見事だった…

[文楽] 近松門左衛門『冥途の飛脚』

[文楽] 近松門左衛門『冥途の飛脚』 国立劇場 2月17日 (写真↓はすべて2017年国立劇場の舞台から、最初は中段の越後家、左から飛脚屋の忠兵衛、遊女の梅川、忠兵衛の友人の八右衛門、後方は遊女たち) 上中は近松の原作通りだが、下の段はまったく違い、野澤松…

今日の絵(2) 2月前半

[今日の絵2] 2月前半 2.1Jan van Eyck: Adam and Eva, 1429 van Eyckはテンペラから油彩画へと西洋絵画を転換させた人、しかしまだ、このアダムとイヴは、Dürer やRubensなどと違って、非常な美男/美女というわけではない、人間の肉体がまだ「原罪」から解…

[演劇] 三好十郎『地熱』 劇団・民藝

[演劇] 三好十郎『地熱』 劇団・民藝 紀伊國屋サザンシアター 2月8日 (写真↓は舞台、戦前の佐賀県の小さな飲み屋、中央は信州から流れてきた「渡り人夫」の留吉(神敏将)と、右端は飲み屋で働く香代(飯野遠)、香代の留吉に対する片思いに留吉は気づかない) 三…

[演劇] 平田オリザ 『眠れない夜なんてない』

[演劇] 平田オリザ 『眠れない夜なんてない』 吉祥寺シアター 2月1日 (写真↓はポスター、劇の本質をよく象徴している。昔のうらぶれた銭湯のようなところの靴箱だろうか、でもよく見るとパスポートと札束があり、ごく普通の人の人生にも、それぞれ違った過去…