2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『聖書』を読む(4)

[読書] 『ヨブ記』(関根正雄訳、岩波文庫) (挿絵は、同じくブレイクの描いたヨブ。) C.G.ユングの『ヨブへの答え』(原書1952)は非常に面白い。邦訳は二種類(野村美紀子訳/ヨルダン社、林道義訳/みすず書房)。ユングは、神を「集合的無意識」として…

『聖書』を読む(3)

[読書] 『ヨブ記』(関根正雄訳、岩波文庫) (挿絵は、英国ロマン派の詩人ブレイクの描いた「ヨブ」。サタンに苦しめられるヨブ。) 『ヨブ記』を25年ぶりに(?)再読した。『ヨブ記』は、旧約聖書中もっとも重要な作品の一つだが、解釈が大きく分かれる問題…

『聖書』を読む(2)

[読書] 『新約聖書・福音書』(塚本虎二訳、岩波文庫) (右挿絵はコレッジオの、左下はフラ・アンジェリコの、どちらも「ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)」。マグダラのマリアに園丁と間違えられたイエスの、鋤が描かれている。前回の日誌の最後の話の絵…

『聖書』を読む(1)

[読書] 『新約聖書・福音書』(塚本虎二訳、岩波文庫) (右挿絵は、18世紀初頭にアメリカで描かれた「エマオの巡礼」、左下の挿絵は、14世紀初頭のブオニンセーニャによる「エマオへの道」。どちらも突然現れたイエスが、いたずらっぽく二人の巡礼に話しか…

「出生率」はむずかしい

(右挿絵は、フラ・アンジェリコの「受胎告知」、下の図版は2005年度国勢調査にもとづく未婚率。男女とも未婚率が大幅に上昇した。) 最近、日本の「出生率1.25」という数値が話題になったが、「出生率」という概念はなかなか奥行きが深い。インターネットで少…

上野修『スピノザ』

[読書] 上野修『スピノザ −「無神論者」は宗教を肯定できるか』(NHK出版、06年7月) (写真は、スピノザ像) (実家の父を介護していた母が倒れて入院したので、少々ブログの更新が遅れています。) 「シリーズ・哲学のエッセンス」の『スピノザ』が刊行された。…