2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ルネ・ヤーコプスの「フィガロ」

[CD] 今年発売されて非常に話題になったRene Jacobs指揮の「フィガロの結婚」(オケはConcerto Koeln、2003年4月録音)。初めて聴いた時は、あまりの違和感に拒否反応を起しかけたが、もう三十回は通して聴いただろうか、ずいぶん慣れた。あらためてその演奏…

佐藤佐太郎(1)

近代短歌の最高峰の一人、佐藤佐太郎(1909-87)。茂吉ほど「幅」の広さはないが、歌のもつ芸術性は比類のない高みにある。彼の言葉によって初めて開示される自然の何という豊かさ。 はなやかに轟くごとき夕焼けはしばらくすれば遠くなりたり 幾万といふ蔦の葉…

上田三四二(1)

私の愛読書に、大岡信『折々のうた』があります。私もいつか、自分の好きな短歌、俳句、詩を集めたアンソロジーを編みたかった。それを少しづつ始めます。いわば私家版「うたの歳時記」。「ディキンソン詩集」「ウェンディ・コープ詩集」のような外国詩の試…

スピノザの懐疑論批判

議論のために「黒板」が必要なので、今日の日誌はそれに。デカルトは『省察』で根源的な懐疑論を展開した。偽なのに真と思い込ませる「悪しき霊」の仮説がその頂点に来る。スピノザ哲学は、この「悪しき霊」批判を核として成り立っており、その懐疑論批判は…

ディキンソン詩集(1)

私の好きなエミリ・ディキンソンの詩を、少しづつ訳してみます。すでに良い訳がたくさんあります。でも私は私の言葉にしてみたい。正確な逐語訳ではなく意訳です。記号のJは従来のJohnson版の、Fは新しいFrankrin版の詩番号です。ディキンソンの詩は相聞詩だ…

今日から始めます。

はじめまして。ようこそいらっしゃいました。私がcharisです。本職は哲学なので「美」は副専攻ですが、「charis」という良い名前をもらいました。ギリシア神話の、美と優雅の女神たちです。これを機に、大学の公式HPの観劇記を、8月以降はこちらへ移します。…