2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧
[演劇] 長塚圭史作・演出『アジアの女』 新国立劇場小H (写真右は、岩松了と富田靖子。写真下の右人物が近藤芳正。) 劇団・阿佐ヶ谷スパイダースを主宰する長塚圭史は1975年生れの若手。劇を見るのは初めてだが、胸を締め付けられるような不条理劇だったの…
[読書] 城繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書) (写真は、雇用法改正に反対してデモをするフランスの大学生。) 現在、大学では学生の就職が大きな問題になっている。インターンシップなど、自分と就職先の「ミスマッチ」を減らすように、さまざ…
[読書] 田島正樹『読む哲学事典』(講談社現代新書) (挿絵は、パラス・アテナ。16世紀イタリアの画家、パルミジャニーノの作。ギリシア彫刻とは違い、優美な女性だ。アテナ女神は”戦闘美少女”の元祖だが、このアテナには戦闘性は感じられない。) 本書の解題は…
[読書] 田島正樹『読む哲学事典』(講談社現代新書) (挿絵は、哲学者ヘーゲル) 「弁証法と(再)定義」の節も、注目に値する。哲学史を大きなスケールで捉え、しかも個々の読みが深い。田島氏は、まずアリストテレスの「弁証法(弁証論)」に立ち返る。我々は言…
[オペラ] 二期会『フィガロの結婚』 宮本亜門演出、渋谷オーチャドホール(写真は、2002年の初演の舞台。第三幕、中央右の"弾けるような"スザンナが素晴しい。今回の再演もほとんど同じ。) 今回は、院生・学生ら6人の人たちと一緒に観劇。宮本亜門の演出を堪…
[演劇] 野村萬斎『敦 山月記・名人伝』 世田谷パブリック・シアター (写真右は、『名人伝』の紀昌を演じる野村萬斎。後ろは弓の名人、飛衛を演じる石田幸雄。下は、萬斎演じる中島敦。) 野村萬斎が中島敦の『山月記』『名人伝』を演劇化。構成、演出、主演を…
[読書] 田島正樹『読む哲学事典』(講談社現代新書) (写真は、メラニー・クライン(1882-1960)。フロイトに師事し、幼児の精神分析で名高い。) 「ここと私」の節を解題。この節は本書の中では難解な部に属する。田島氏は、「もし実際に私が田島であるならば、…
[読書] 田島正樹『読む哲学事典』(講談社現代新書) (写真は、哲学者フレーゲ。「意味」を「Bedeutung(=reference、指示対象)」と「Sinn(=sense、意味内容)」との両面から捉えた。これによって、意味と真理の関係を明確に論じられるようになった。) 「言語…
[読書] 田島正樹『読む哲学事典』(講談社現代新書) (写真は、女神「テュケー」像の頭部。紀元1世紀頃の作。) 本書でもっとも面白い節の一つ、「運と偶然」(p59〜67)について、少し考えてみたい。田島氏の主題ともいえる「新しい意味の生成」の問題が、「運…
[読書]土井隆義 『個性を煽られる子どもたち』 (2004年9月刊、岩波ブックレット) (挿絵は、ラ・トゥールの「マグダラのマリア」。じっと自分を見詰めて「私探し」をしているのだろうか?) [8月末に父を亡くし、少し身辺が忙しかったので更新が遅れました…