2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧
山口つばさ『ブルーピリオド』(講談社) 絵画表現の意味をめぐる苦闘を描く 絵を描くことの素晴らしさに目覚めた高校生が、東京藝大を受験する物語。油画科は競争率20倍強なので、「受験絵画」は技術の習得がメインになるのだが、高校美術部の佐伯先生と予備…
(本書は、アマゾンにもレヴューを書きましたが、以下は、読書会用に作った論点メモです) E.ブレイク『最小の結婚』論点メモ 植村恒一郎 [以下、頁数は本書ページ、Bは著者エリザベス・ブレイクの略] 第Ⅰ部(1~4章) 結婚を脱道徳化する議論 Ⅰ「序」結婚と哲学…
[今日のうた] 3月ぶん (写真は、紫式部[土佐光起画]) 生くるとは愛にこころを砕くこと嘴(はし)合す鳩は日向をあゆむ (上田三四二1963『雉』、早春の公園の陽だまりに鳩が嘴を合せてむつんでいる、そして作者は、鳩のこうした姿を祝福し、そこに人間を重ね合…
[今日の絵5] 3月後半 16 Hans Holbein : Unknown Young Man at his Office Desk, 1541 ホルバイン(1497~1543)はドイツ生まれだがイングランドで宮廷画家となる。エラスムス、トマス・モア、ヘンリー8世の肖像や「大使たち」などで名高い。これは普通の市民…
[演劇] マキノノゾミ『昭和虞美人草』 文学座アトリエ 3月18日 (写真は舞台、甲野家の立派な書斎、しかし息子たちは遊び人タイプで、ヒッピーのような格好をし、まじめな就職もせず、手作りのロック雑誌を刊行している) マキノノゾミが漱石の『虞美人草』を…
[演劇] ケストナー『雪の中の三人』 小山ゆうな演出 俳優座稽古場 3月16日 俳優座公演、台本は演出の小山が新しく新訳・構成。ドイツ語の三つの台本を比較しつつ、原作に近いものにしたという。ケストナーは二年前に田中麻衣子演出『どうぶつ会議』を見たが…
[今日の絵4] 3月前半 3.1 Sandro Botticelli : Self Portrait, 1475 大きな絵の一部だが、ボッティチェリ(c.1445~1510)の自画像と言われている、30歳前の美しい青年だ、眼など強いものを感じさせる 2 Raffaello : Self Portrait, c.1505 ラファエロ(1483~15…
[演劇] 井上ひさし『日本人のへそ』 こまつ座、紀伊國屋サザンH 3月10日 (写真↓は第2幕、純粋の演劇の部分、ミュージカル構成による第1幕の劇中劇を受けて、その劇中の物語が実在世界へと転換している、代議士宅の応接間) 『ひょっこりひょうたん島』で放送…