2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

今日のうた(127) 11月ぶん

今日のうた(127) 11月ぶん 胸そらす朝の体操鱗雲 (日下光代「東京新聞俳壇」10月31日、石田郷子選、「澄み切った大気の中で大きく体を反らした時、見事な鱗雲が目に入った。秋の朝の爽やかさがよく伝わってくる」と選者評。「鱗雲」が「朝の体操」と結びつく…

[今日の絵] 11月後半

[今日の絵] 11月後半 17 de Vinci : 洗礼者ヨハネ 1515頃 ダヴィンチの事実上の遺作、「洗礼者ヨハネ」だが、何だかセクシー、キリスト教の聖人をセクシーな肉体として描いたのはバロック期からと言われるが、本作は少し早い、この絵は19世紀のデカダン派詩…

[オペラ] ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》

[オペラ] ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 新国 11月28日 (写真は舞台、この作品は何といっても、民衆の喜びに溢れた祝祭的気分が素晴らしい) 第1幕(95分)はやや退屈で、もっと短くしてほしいと思ったが、第3幕(130分)は素晴らしい。ワー…

[演劇] フリッツ・カーター『愛するとき 死するとき』

[演劇] フリッツ・カーター『愛するとき 死するとき』 小山ゆうな訳・台本・演出 シアタートラム 11月25日 (写真は舞台↓、シンプルでスタイリッシュで美しい、光る棒はベルリンの壁を表わしているらしいが、私には分からなかった、手前は東独、後方は西ベル…

[演劇] チェホフ『桜の園』 ジャンヌトー演出

[演劇] チェホフ『桜の園』 ジャンヌトー演出 静岡SPAC 11月23日 (写真↓は、左から、近所の地主ピーシク、商人ロパーヒン、ラネフスカヤ、その兄ガーエフ、そして舞台全景) ジャンヌトー演出を見るのは、『ガラスの動物園』についで二度目。『桜』の舞台も…

[演劇] 倉持裕『イロアセル』

[演劇] 倉持裕『イロアセル』 新国小劇場 11月20日 (写真は舞台、誰もが、しゃべった言葉や書いた文字は色になって雲のように広がり、同時にスマホのような「ファムスター」にすべて表示される、人物が手に持って見ているのがそれ) 非常にユニークな主題をも…

[今日の絵] 11月前半

[今日の絵] 11月前半 1 Degas : ヴァルピンソンのホルテンス嬢の肖像 1871 ドガは生涯を通じて、幼馴染のポール・ヴァルピンソンのノルマンディーにある田舎の邸宅をよく訪れた、これは、ポールの長女で唯一の娘ホルテンス、彼女のテーブルなのだろう、可愛…

[オペラ] ベッリーニ《カプレーティとモンテッキ》

[オペラ] ベッリーニ《カプレーティとモンテッキ》 日生劇場 11月13日 (写真は舞台、主題はロミオとジュリエットの純愛である以上に、キャプレット家とモンテギュー家の対立だから、剣がつねに舞台にある) グノー《ロミ・ジュリ》、ヴェルディ《オセロ》《マ…

[演劇] 太田省吾 『更地』 杉原邦生演出

[演劇] 太田省吾 『更地』 杉原邦生演出 世田谷パブリックシアター 11月9日 (写真は舞台、原作は「初老の」夫婦だが、この上演では若い夫婦という想定になっている[濱田龍臣と南沢奈央]) 太田省吾を見るのは、二年前に『水の駅』(杉原邦生演出)に衝撃を受け…

[オペラ] B.ジネール《シャルリー ― ~茶色の朝》

[オペラ] B.ジネール《シャルリー ― ~茶色の朝》 神奈川県立音楽堂 10月31日 (写真は舞台↓、1人の歌手と5人の室内楽という構成だが、表現の力は十分) 2002年にフランスで極右のルペンが大統領選に躍進したことに危機感を覚えた作曲家ジネールが、少し前に…