2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧
[気になる言葉] ゲーテ『ファウスト』よりメフィスト フェレスの言葉 (挿絵はドラクロワ作) 「なぜ、わざわざ<過ぎ去らせる>必要があるのか? 過ぎ去ってしまえば、初めから何も無いのと同じだ。俺は、永遠の虚無の方が[すっきりして]好きだ。」 解説: 我…
[演劇] 山崎清介演出『十二夜』 新国立劇 場・小H (写真は、1969年、ジョン・バートン演出による、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニ公演。ヴァイオラを演じるジュディ・デンチ。20世紀で指折りの名演とされる。) 新しい工夫に満ちた、刺激的な『十二夜』…
[読書] 上野千鶴子『生き延びるための思想』(2006年2月、岩波書店) (写真は『女の平和』。2002年3月、アメリカのコロラド大学における上演。悩むリュシストラテ。) 上野は、通常の国家暴力(男性兵士)ではなく、テロリズムという「対抗暴力」に着目し、女性…
[読書] 上野千鶴子『生き延びるための思想』(2006年2月、岩波書店) (写真は『女の平和』。2003年7月、アメリカのスタンフォード大学における上演。ペニスに呆れるリュシストラテ。) 上野の議論のもう一つの柱は、国家が公認する殺人としての戦争の問題である…
[読書] 上野千鶴子『生き延びるための思想』(2006年2月、岩波書店) (写真は『女の平和』。2000年10月、アメリカのサン・ディエゴ州立大学における上演。兵士の巨大なペニスは、戦争暴力のパロディでもある。) 「戦争という暴力」においては、加害者は同時に…
[読書] 上野千鶴子:『生き延びるための思想』 (2006年2月、岩波書店) (写真はアリストファネス像。本書は、2500年前の『女の平和』を髣髴とさせる。) 上野千鶴子の最新論集。第3章「対抗暴力とジェンダー」(初出2004)が本書の白眉。上野は「これは本当に…