2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧
[読書] 岡田暁生『西洋音楽史』 (中公新書、05/10) (挿絵は、ムーサたちに囲まれるアテナ(中央左奥)。兜を被っているが、彼女は笛を創った神であり、音楽に関わる神の一人。) 岡田氏の本が面白いので、もう一回書く。氏は19世紀が専門の音楽学者。ロマン派…
[読書] 岡田暁生『西洋音楽史』(中公新書、05/10) (写真は、古代ギリシアの彫刻家プラクシテレス作のアポロン像。ルーブル美術館。アポロンは音楽の神でもあるが、これ以上に美しい人間の肉体があるだろうか?) 本書の、次に面白い論点として、バロックとウ…
[読書] 岡田暁生『西洋音楽史』 (中公新書、05/10) (挿絵は、竪琴を背負うアポロンと踊る9人のムーサたち。音楽の神々の踊りは楽しくて優美) 小冊子ながら、西洋音楽史の核心を掴む名著だ。音楽という「生産物」を考察するのではない。音楽を、いつ、誰が、…
[演劇] 野田秀樹『贋作・罪と罰』 12/22 コクーン (写真は、松たか子扮するヒロインの三条英(はなぶさ)。英はラスコーリニコフの女性版だが、明治維新の勤皇の志士グループの中に置かれることによって、女性テロリストのメタファーになっている。9.11よりは…
[演劇] ロイヤル・シェイクスピア・カンパニ公演『夏の夜の夢』 東京芸術劇場・中ホール(マチネ) (写真は、頭だけロバにされた機屋のボトム) グレゴリー・ドーラン演出は2000年のRSC『マクベス』以来、観るのは5年ぶり。全体の印象は、黒を基調とした“地…
[読書] 小林よしのり『靖国論』『戦争論』(幻冬舎) (挿絵は、速水御舟『炎舞』、1925) 小林よしのり氏の『戦争論』では、「特攻隊員の死」が大きな役割を果たしている。『戦争論』第3巻・第15章の「特攻隊」論で小林氏は、特攻隊という「戦法は外道」つまり…
[読書] 小林よしのり『靖国論』『戦争論』(幻冬舎) (写真は、軍需工場で機体生産に従事する女子挺身隊員(1944年)。『戦争と子供たち』日本図書センター刊より) 小林よしのり氏の戦争観は、戦争の勝ち負けのみに視点を当てて、戦争の遂行を支える社会の複雑な…