[折々の言葉] 1、2月ぶん

[折々の言葉] 1、2月ぶん

 

哲学(=知を愛すること)は、その名前を、一方では、愛から、つまりあまねき恍惚という原理から、他方では、その本来の目的である根源的な知から、得ている。(シェリング『自由論』) 1.1

 

愛というのは単純に肯定し合うことではなく、互いの否定性を飲み込み合うことだ。(千葉雅也、ツイッターより、再掲) 5

 

そうでしょうとも。他国に暴力を行使する必要があるときには、とうぜん自国にも暴力をふるう必要があるでしょう。(ブレヒト『ソポクレスのアンティゴネー』) 8

 

さあこれで分かったろう。およそ愛と呼ばれるものなら、それ自体でみな称賛に値すると主張する人の目には、真理は隠れ、真相は映じていないのだ。(ダンテ『神曲・煉獄篇』) 12

 

パリの住民が自分では田園に行く気でいても、実は田園に行くのではなく、パリを伴って行くのです。(ルソー『新エロイーズ』) 15

 

人生を支配するのは幸運である。叡智ではない。(キケロ「パラドクサ」) 19

 

(ソーニャ) 私のバラ、美しい、もの悲しいバラ・・・・、私はきれではない。/(エレーナ)きれいな髪をしてるわ。/(ソーニャ) そんなこと言わないで! 女の人は顔がきれいじゃないとみんなに言われるの、「きれいな目をしている、きれいな髪をしている・・って。 (チェホフ『ワーニャ叔父さん』) 22

 

彼は、昼と夜の区別に生まれて初めて気が付いた人のような心持がした。(漱石『明暗』) 26

 

想像力の消耗からも、人はその家庭を愛するようになってくる。(萩原朔太郎) 29

 

言ってごらん、私がお前と一緒にいて、楽しいと思った時があったと言えるかい? (シェイクスピア『リチャード三世』) 2.2

 

人間、見かけどおりであるべきです。そうでない人は、そうでないように見せかけてほしいものです。(シェイクスピア『オセロ』) 5

 

この一年はつらかった。愛は困難だ。愛は次第に難しくなる。でもそれは、愛するのが難しくなるというのとは別のことだ。あなたを愛するのが難しいのではない。あなたを正しく愛するのが難しいのだ。(ジャネット・ウィンターソン『詩としてのセックス』) 9

 

私は旅に出て、人と会い、話をするのが大好きだ。その際、話相手が最もよく知っている事柄に話題をもっていくように、心掛けてもいる。船頭は風のことを、牛飼いは牛のことを考え、戦士は自分の傷を、羊飼いはヒツジの群れを数えているときが、一番いい。(モンテーニュ『エセー』) 12

 

バッカスは滅びることがない。正気を失うことがその性(さが)だからだ。(ブレヒトソフォクレスアンティゴネ』) 16

 

引き裂こうとすればするほど、結びつくことは必定。追い詰めるのです、すべてを求めるのです、何も手に入れないために。(ラシーヌ『アンドロマック』) 19

 

人は、それを所有しても幸福ではないのに、それを失えば不幸であった。(ルソー『人間不平等起源論』) 23

 

これは困った、姫のことを忘れていた。/ほらごらん、学問はいつも的を射そこなう。(シェイクスピア恋の骨折り損』) 26