[今日の絵] 2月前半

[今日の絵] 2月前半

1 ダヴィンチ : モナリザ1505頃

写真を撮るとき、よく「はい、チーズ」とか言いますね。すこし<笑む>感じの顔が、人間、いちばん<いい顔>なのだろうか。女性の人物画は、「かすかに微笑んでいる」「少し笑っている」顔が多いような気がする、今日から少し<笑み>を

 

2 Gerrit van Honthorst : The Procuress 1625

タイトルは「売春あっせん業の女性」、つまり男たちは客で、この女性が「売春あっせん業者」、若い娘ではなく、笑っている/いないような、やや不気味な顔、画家1592-1656はカラヴァッジョの弟子

 

3 Vermeer : Officer and Laughing Girl 1657

女性は、フェルメールの妻カタリーナ・ボルネス似といわれるから、モデルを勤めたのか、「将校」はこの少女に求愛しているようでもあり、彼女が軽く笑っている感じがいい

 

4 エリザベート・ルブラン : 水浴びをする女性 1792

作者1755-1842はマリー・アントワネット付きの宮廷画家だった人、これは彼女の娘ジュリ12歳なのだろうか、もう少し年長にも思われるが、それにしても顔の表情が素晴らしい

5 Ingres : ラファエロとフォルナリーナ 1814

ラファエロが愛した通称「フォルナリータ」(=パン屋の娘)は、本名マルゲリータ・ルーティで、パン屋の娘だった、でもこの絵の顔はアングル好みの顔、それにしてもララエロはかなりの美形

 

6 Joseph Desire Court : ジェルマン不在で気を紛らわすリゴレット1844

ジョセフ・デジレ・コート1797-1865はフランスの画家、貴族などの肖像画を描いた、この絵のリゴレットは、やや上目づかいの端正な表情がいい

 

7 Joseph Karl Stieler : Portrait of Caroline Gräfin von Holnstein 1834

シュティーラー1781-1858 はドイツの画家、絵は、ホルシュタイン伯爵夫人キャロライン、顔の微妙な傾きなど、類型的ではなくその人個人のもつ美しさが捉えられている

 

8 Léon Riesener : Madame Léon Riesener 1849

レオン・リーズナー1808-1878はフランスの画家、これは自分の妻だが、依頼された肖像画と違って、いろいろと自由な試みができる、左手の肘をぐっと突き出し、右手は下げぎみにしてバランスを取り、力が自然に均衡する体勢を描きたかったのか

 

9 メアリー・カサット : 桟敷席にいる真珠のネックレスの女性1879

オペラ劇場だろう、肩の大きく出ている服、張り切っておしゃれをしてきたお嬢さんの、姿勢と、ちょっと抑制された笑顔がいい

 

10 Pierre Auguste Cot : Springtime 1873

コット1837-83はフランスの画家で、ブグローの弟子、これは代表作の一つ、少年と少女の初恋を描いて、美しい、少女の少し甘えた笑顔が可愛い、全体の雰囲気がやや神話的か

 

11 Gaetano Bellei : Portrait of a Lady in a Flowered Hat

ガエターノ・ベレイ1857-1922はイタリアの画家、裕福な貴族の息子だった、人物画をたくさん描いた、女性は明るく華やかで官能性があり、どれも豊かな笑顔がいい

 

12 Friedrich Prölls:Dirndl in the Room

フリードリヒ・プレルス1855-1934はドイツの画家、「ディルンドゥル」とはバイエルン州チロル地方などの民族衣装、これは山地の少女だろうか、ちょっと澄ました笑顔が可愛い

 

13 Augustus John : Woman Smiling 1908

オーガスタス・ジョン1878-1961はイギリスの画家、ロマ(ジプシー)の絵や「アラビアのロレンス」の肖像などで名高い、この絵は「微笑む女性」、彼女の「微笑み」は、なかなか味わいがある、画家はそれを描きたかったのか

 

14 Lilla Cabot Perry : Portrait of a Lady 1910

「貴婦人の肖像」という意味だろう、ペリーの描く人物は、斜めからの光で陰影のあるものが多いが、これは極端に影が濃い、背景からするとオペラ劇場の桟敷席か、上品な顔立ちといい、いかにも貴婦人

 

15 Kartashov Andrey : Smiling girl

カルタショフ・アンドレイ1974~はウクライナ生まれの画家、この絵は、衣服や背景など荒いタッチでざっくりと描いているが、顔の表情が生き生きとして、いかにも少女