折々の言葉(4)  7,8月ぶん

折々の言葉(4)  7,8月ぶん

 

愛はとどまろうとする時、錆びた一本の釘に変る。(野田秀樹パンドラの鐘』) 7.11

 

スパルタにおいては、犯罪が罰せられるのではなく、不手際が罰せられる (ルソー『新エロイーズ』) 15

 

男の人に「愛してる」なんて言われるより、私の犬がカラスに吠えかかるのを聞いているほうがずっといい。(シェイクスピア『から騒ぎ』) 18

 

そう、考える心というやつ、もともと四分の一は知恵で、残りの四分の三は臆病にすぎない。(シェイクスピアハムレット』) 22

 

恋とは、何と多くの災難をうしろに従えているものか、どれほどの友、どれほどの務めを、私は犠牲にしようとしたことか。(ラシーヌ『アンドロマック』) 25

 

感情によらなければ看取されず、説明することができないものがどんなにたくさんあることでしょう。・・・つまりそれは、肉体の魅力よりもむしろはるかに感情の魅力なのです。(ルソー『新エロイーズ』) 29

 

私とは誰か? めずらしく諺にたよるとしたら、これは結局、私が誰と「つきあっている」かを知りさえすればいい、ということになるはずではないか? (ブルトン『ナジャ』) 8.1

 

彼女に言ってやろうと思うことを五、六行書くやいなや、私の気持ちは変わった。そこに書かれた言葉を、もはや、それが当然もっている意味では見ずに、それがもたらすに違いない結果で見た。(コンスタン『アドルフ』) 5

 

王室用学問というものがないように、十五、六歳の少女用の学問というものもありません。(フロイト精神分析入門』) 8

 

ああ、愛の錯覚はなんと素晴らしいものでしょう。愛のへつらいはある意味では真実です。判断力は黙しておりますが、心が語っているのですもの。(ルソー『新エロイーズ』) 12

 

貴方はまだどこか子供々々したところがあるのね、こうして話していると。だから男は損なようでやっぱり得なのね。(漱石『明暗』) 15

 

愛は遊戯であり、永遠の創造であった。・・・彼女は目の前で身体を横たえて伸ばし、水平線のように果てしなく広がっていった。その時はぼくもまた黙って水平線になった。(オクタビオ・パス『波と暮らして』) 20

 

うちのおばあちゃんは、神様からも他の人たちからもこの世では必要とされていないと感じていた。だから、おばあちゃんは、だれに対しても頼まれたことを断ることができなかったんだわ。(ジェイン・ボウルズ『野外の一日』) 22

 

私はイエス様の方を見ました。イエス様も私を見ていらっしゃいます。そして私の乳房をも、両の乳房をまっ正面からご覧になっています。どうすればいいのでしょう?こんなふうに、 いきなり風が吹いてキモノがすっかりはだけてしまった時には?(グロリア・サワイ『私がイエス様とポーチに座って・・』) 26

 

そのユダヤの村では、結婚式の翌日の夜明けに、おかみさん連が何人かで寝室に押しかけていって、花嫁の下からシーツをはぎ取り、それを持って外に出て、花嫁の処女を讃える由緒ある踊りを踊るのがしきたりだった。で、今度も同じことをやろうとしたんだが・・(アイザック・シンガー『幻影』) 29