[今日の絵] 2月後半

2.15 野口小蘋(しょうひん) : 美人読書図
今日からは日本画。作者1847-1917は女性として初めて帝室技芸員に任命された人で、「明治の三大閨秀画家」の一人と言われる。華族女学校(現在の学習院)で4年間教鞭をとり、その後も宮家や皇族の画学指導をつとめた

16 渡辺省亭 : 塩谷高貞妻浴後之図 1889
裸体の絵は当時まだ日本画にあまり無かったのか、この絵は「裸体画大論争」を引き起こした。省亭1851-1918は初めて渡仏した日本人画家、ドガら印象派の画家とも交流があり、日本画の技法を彼らの面前で見せ、驚嘆されたという

17 鈴木華邨(かそん) : 追羽子 1911
いかにも日本の女性という感じの絵だが、顔はまだ江戸時代っぽくやや長め。華邨1860-1919は二十世紀初頭にヨーロッパでもっとも知られた日本画家、パリ万国博でも受賞した

18 小堀鞆音’(ともと) : 武士図 1897
鞆音1864-1931は「近代日本歴史画の父」と呼ばれる、この「武士」も、江戸時代の浮世絵の武士とは違って、史実により忠実に描かれている、有職故実にも詳しかった

19 幸野楳嶺(ばいれい) : 妓女図1873
楳嶺1844-95は京都の四条派と呼ばれる画家だが、この芸妓の顔は浮世絵風のそれではなく近代女性の顔だ

20 下村観山 : 仏誕 1896
観山1873-1930は、1889年に東京美術学校(東京藝大)に一期生として入学、この「仏誕」は23歳の作、ブッダの誕生だろうか、大人たちの顔がとてもいい

21 菱田春草(しゅんそう) : 王昭君 1902
前漢の元帝の時代、匈奴の王へ嫁すことになった後宮一の美女、王昭君。春草1874-1911は、線描を用いない、いわゆる「朦朧体」を用いて、なめらかな質感と夢想的な雰囲気を与えている

22 横山大観 : 流燈1909
大観1868-1958は1903年にインドを訪れ、正装した未婚の女性が灯火をガンジス川に流す「流燈」を観たようだ、この絵は、中間色を多用した透明感のある色彩の中に、それぞれ仕草が異なる三人の美しい女性を描いている

23 安田靫彦(ゆきひこ) : 御(ご)産の祷(いのり)1914
『紫式部日記』に着想を得た絵で、藤原道長の娘で一条天皇の中宮彰子(しょうし)の初産の様子。靫彦1884-1978は歴史画の大家、東京芸大教授

24 速水御舟(ぎょしゅう) : 京の舞妓1920
色彩感が独特で、<青>が美しい、口を半分開いており、端正な表情ではない。御舟1894-1935は昭和初期の日本画家、<花>の絵が中心で人物画は少ない

25 梶原緋佐子 : 暮れゆく停留所 1918
女性画ばかりを描いた梶原緋佐子1896-1988、22歳の作で、代表作でもある。駅で電車を待っている女性らしいが、とても疲れているようにみえる

26 岡本神草(しんそう) : 口紅 1918
岡本神草1894-1933は、舞妓などの妖艶な女性画を描いた、「口紅」は代表作

27 菊池契月(けいげつ) : 散策 1934
犬を連れて散歩する少女、爽やかな感じが素晴らしい。契月1879–1955は歴史画の他、このようなすっきりした女子の絵も多い

28山川秀峰 : 三人の姉妹1936
サイズの大きな屏風絵、自動車が日本画で描かれるのは珍しいらしい、裕福な家の三姉妹なのだろう、カッコいいお嬢様たちだ。秀峰1898-1944は美人画で知られる日本画家