[折々の言葉] 3、4月ぶん
長い間たがいに口に出さずに胸に畳んでおける事柄がある。だが、ひとたび口に出されたが最後、それはたえず繰り返されるのだ。(コンスタン『アドルフ』) 3.3
人間の心、地震計のように美しいもの。(ブルトン『ナジャ』) 6
彼女が美人でもないのにちゃんと落ち着いた暮らしをしていることが、自分のような美人に対する大いなる侮辱であるように感じた。(オースティン『マンスフィールド・パーク』) 10
一本の糸だけでは、あなたを愛する女は安心できなかったかもしれない。(ラシーヌ『フェードル』) 14
人が社交を求めるのは、楽しみの為でも孤独を恐れるからでもない。社交は[もっとも根源的な人間関係であり]、人間の意識を生み、自律的な個人を育てるのとまったく同じ原理によって、人を個人化するのと同じ過程の中から発生しているのである。(山崎正和『社交する人間』) 17
最終判決はしばしば、不意にやってくる。思ってもみなかったときに、思ってもみなかった人から告げられる。(カフカ『審判』) 20
弱い女、心の定まらぬ女だから、たとえ片腕をふり上げても、すぐに、もう一つの手で、自分を止めると思い込んでいる。(ラシーヌ『アンドロマック』) 24
わたしども女が手に負えぬやっかいものであるにしても、殿方まで女の性を真似なさるには及びません。(エウリピデス『アンドロマケ』) 27
戦争を始めるのは簡単だが、それを終わらせるのは容易ではない。(ガルシア=マルケス『百年の孤独』) 31
馬だ! 馬をよこせ! 代りに俺の王国をくれてやる、馬! (シェイクスピア『リチャード三世』) 4.3
アンティゴネ「あなたの戦争よ」/クレオン「いや、祖国の戦争だ」/アンティゴネ「外国を侵略する戦争よ」(ブレヒト『ソポクレスのアンティゴネー』) 7
イヤ
頭の切り替えができないのだ。平和になっても戦闘を指揮する時と同じ厳しい態度で命令を下す。(シェイクスピア『コリオレイナス』) 10
自由な国ではどんな作家も、感覚的なものと官能的なものとの厳密な相違に気を遣ったりするとは思われていない。(ナボコフ『ロリータ』) 14
鳥はさえずるが、人間だけが歌う。(ルソー『言語起源論』)17
死は事故として出現する。・・・理論上は自然死は存在しないものとみなが考えている。(ジャンケレヴィッチ『死とはなにか』) 21
好奇心はもっとも純粋なかたちの不服従である。(ナボコフ) 24
私は、美しさが足りない分、努力してひとによく見られたいと日ごろから願っていた。(シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』) 28