折々の言葉(6) 11・12月ぶん

折々の言葉(6) 11・12月ぶん

 

詩の偉大な美しさは、それがあらゆるもの、あらゆる場所を興味あるものにするからである。(キーツ『手紙』)11.4

 

恋人を選ぶには片目を開ければ十分だけど、夫を選ぶには両目をしっかり開けなきゃ。慎重というメガネをかけて、顕微鏡にもかなうかどうかじっくり吟味する・・・とかなんとか言ったって、結局、私たち女はいつも、一番ダメな男を選んじゃうのよね。(ゴルドーニ『抜け目のない未亡人』)7

 

貴方はひどい人、ようやく私の顔の魅力が分かったのね、その途端に、私をものにしようとして、恋人のふりをするなんて! (コルネイユ『舞台は夢』)11

 

「美しきがゆえに愛されている者が、愛されているがゆえに、自分を愛している相手を愛さねばならない」という理屈はおかしいわ、だって、「僕は君が美人だから愛す、僕は醜い男だが、君も僕を愛さなくてはいけないよ」なんて、変でしょ。(セルバンテスドン・キホーテ』)14

 

部屋から出ていかなくても世の中のことは分かる。(『老子』、TVもネットもなかった時代だが、さすが老子)18

 

そう、そこが肝心な点じゃ。そこにこそ、わしの営みの微妙な所があるのよ・・。重要なのは、原因もなく狂態を演じること、わしの思い姫に、理由もなくこれだけの事をするなら、理由があったらどんな事になるのかしら、と思わせるところにあるのじゃ。(セルバンテスドン・キホーテ』) 21

 

楽しいことだけを考えていればいいんだよ。神々だって恋に落ちるときには、身を落としてけだものの姿をおとりになった。(シェイクスピア冬物語』) 25

 

自分自身の悩みや他人の悩みのことで感動することがどんなに快いことか、それを人は知らないのです。感じやすいということは、運命や出来事に左右されない一種の自足の気持ちを、心のなかにもたらします。(ルソー『新エロイーズ』) 28

 

恋人として冷たい人こそ、友としていささか頼むに足りる。(ルソー『新エロイーズ』)12.2

 

シェイクスピアの作品は女性の体のようなもの。そこにあるだけで美しい。なのにこれまで下手な衣装を着せられすぎた。私がやっているのは、それを何枚か脱がせる作業です。(ピーター・ブルック、来日時インタヴューより) 5

 

「人間」は、現れたものである以上、消えつつあるものだ。・・・おそらく、その終焉は間近い。・・・賭けてもいい、いつか人間は[海岸の]波打ちぎわの砂の表情のように消滅するであろう。(フーコー『言葉と物』) 9

 

言葉は天をめざすが心は地にとどまっている。心のともなわぬ言葉がどうして天に届こうか。(『ハムレット』) 12

 

こと愛情に関しては、気まぐればかり言いおって、親の私がいくら選んでやっても、同意したためしがない。(コルネイユ『舞台は夢』)16

 

これほどにも子供なのだよ! ただ[彼女の]一瞥に恋い焦がれて! これほどにも子供なのだよ! (ゲーテ『若きヴェルテルの悩み』)19

 

なぜなら、他人に合わせて生きないということが、自由人の特質であるから。(アリストテレス『弁論術』)23

 

準則というものは、人の心が一そうよく分かるにつれて、かえって普遍的でなくなるものです。(ルソー『新エロイーズ』)26

 

君と僕は、どちらも頭が切れすぎて、穏やかに愛を打ち明けあうのは無理だね。(シェイクスピア『から騒ぎ』)30