[舞踊] ピナ・バウシュ 《春の祭典》他

[舞踊] ピナ・バウシュ春の祭典》他 有楽町・国際フォーラム 9.12

ピナ・バウシュは7年前に《カーネーション》を観て以来二度目だが、野性味溢れる爽快な舞台を堪能した。今回は、全員がアフリカ人ダンサーで、土ぼこりをあげながら走り回り、乱舞する姿は、若い豹たちの乱闘ゲームのようで、怒りや威嚇や暴力が美に昇華されている。スピード感溢れる一瞬の性交?が表現されるのも、爽快でいい(写真↓の3枚目)。私は1階の最前列だったので、土ぼこりも浴び、身体運動のド迫力に圧倒された。

ところで、ピナ・バウシュの作品タイトルは《Frühlingsopfer》すなわち「春の犠牲[生贄]」。ストラビンスキー原作は「春の聖餐式」だが、バウシュは、形式より内容に一歩踏み込んでいる。全体が集団結婚式の象徴なのだろうか。一人だけ赤い衣服の女性がいるが、これは「花嫁」の代表か。最後、彼女がバッタリ倒れて終幕。これは「性を寿ぐ祝祭」が盛り上がり、その絶頂に達した瞬間に、祝祭の生贄にされたのだろうか↓。

ダンサーの動きは、肉体がはげしく痙攣し、あえぎ⇒もだえ⇒回復という交替の速いリズムが爽快だ。ヒトの<性>を、鈍重な肉体から解放し、乱舞の美へと昇華している。アフリカ人ダンサーではないが、1分半の動画、動きはこれでよく分る↓

pina bausch frühlingsopfer - Google 検索

アフリカ人ダンサー版、27秒だが動画↓

Xユーザーの夏さん: 「ストラヴィンスキー「春の祭典」ピナ・バウシュの振り付け #陳情令 EP32〜33で春の祭典が流れる不夜天は演出そのものがバレエっぽいんだよね。生贄の乙女が魏嬰なのはもちろん、モブの戦う仙師たちの動きとか。 https://t.co/mlel9Hvm0d」 / X