[今日の絵]  5月前半

[今日の絵] 5月前半

 

1 Renoir : The Café 1874

カフェは酒を飲むからだろうか、人間くさい場所だ、教会と違って超越界と繋がっていない、ヨーロッパがカップル文化であることもよく分かる、そして何よりもカフェでは人間の欲望がよく見える

 

2 マネ:カフェにて1878

手前の二人は夫婦か、かなりの年齢差だ。金持ち老人と結婚し、すぐ未亡人となりがっぽり遺産を頂き、そして若い男性と再婚するちゃっかり女性もいるとか。後方のウェイトレスは客の飲み残しのビールを飲んでいる?

 

3 Frederik Hendrik Kaemmerer : The Lady's Opinion Considered

タイトルは「女性の御意見拝聴」、酒のあるカフェのような所だろう、少し酔った上流階級らしき女性が若い軍人相手に、政治や軍事について御高説を垂れているのか、女性の姿勢や若い軍人の表情がいい。ケメラー1839–1902はオランダの画家

 

4 Mariano Alonso-Pérez : Femmes au café 1900

タイトルは「カフェの女性たち」、どういうカフェなのか、男女とも、室内よりは戸外向けの服装、こちらのテーブルは女性二人、窓際は男性三人、カップルでもなさそう。ペレス1857-1930はスペインの画家、服装を強調して女性をたくさん描いた

 

5 Ernst Ludwig Kirchner : カフェの庭園1914

カフェは人間の欲望がよく見える、ジェンダー的欲望が渦巻いているからだ、この絵の手前の女性たち、足を少し高く置いているのは、見せたいからなのだろうか。キルヒナー1880-1938はドイツ表現主義の画家、<こわ張った>感じの女性をたくさん描いた

 

6 Degas : In a café (The Absinthe drinker)

場末のカフェで「アブサンを飲む人」、この女性は孤独なのだろう、隣に座る男とはどういう関係なのだろう、後ろに映る影が濃く、全体が陰鬱でわびしい

 

7 Joaquim Gomes Ribeiro : 午後のコーヒー 1887

右側の店が外にテーブルを出して、女性客4人がコーヒーを飲んでいる、左の男性は通りがかりか、奥の家の前にもテーブルがあり、こんな風に「お茶する」習慣なのか。リベイロ1855-1900はブラジル印象派の画家

 

8 Ludwik de Laveaux: パリの夜のカフェ1890

夜のパリといっても奥は森のようで、雰囲気がある、手前は女子会で、向こうには男子二人組、昨日もそうだが、どうもカフェは女子の方が多いようだ。ラヴォー1868-1894はポーランドの画家で25歳で死去

 

9 Federico Zandomeneghi : Place Pigalle in Paris 1907

手前の3人の若い女性は、顔を近づけて何やらひそひそ話している風だ、恋の話題なのか、左の男性は3人の女性とどういう関係なのか、タイトルからするとこれはテラスのような場所か、ザンドメーネギ1841-1917はイタリア印象派、描く人物の表情が豊か

 

10 Franz Leo Ruben : Café turco en Sarajevo 1897

タイトルは「サラエボのトルコ・コーヒー」という意味か、屋外だが男だけが集まってトルココーヒーを楽しんでいる、アラブ世界は今でもカフェは男だけらしいが、宗教的あるいは法的な規則というわけでもないようだ、ルーベン1842-1920はオーストリアの画家

 

11 Lautrec : ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレットの片隅1892

パリのモンマルトルにあるナイトクラブを、ロートレックはたくさん描いた、この絵は人々の表情が険しく、ナイトクラブなのに笑いが感じられない

 

12 Christian Schad : Café d'Italia 1921

カフェの人々に雰囲気がある、というか表情が濃く、それぞれの顔に人生を感じさせる。シャド1894-1982はドイツの画家で、ダダの影響もあり、マジックリアリズムといわれる、この絵もそうなのか

 

13 Hopper : Tables for Ladies 1930

タイトルは「女性のための食べ物」という意味なのか、カフェらしき場所で、客の女性が果物類を取りにくるのか、それともウェイトレスなのか、果物やサラダを男性はわざわざ取りにこないのか

 

14 アントニオ・バラス・デ・ラ・ロサ : Alice in the café

おひとりさま客も、もちろんカフェの上客だ、このカフェは書店の向いなので、本を買った人がここでしばらく読んでいくのか、画家1954~はスペイン生まれ、雨の街の絵が多い

 

15 Ron Hicks : Café Kiss

カフェでのキスは欧米なら普通の光景だ、これは最近の絵のはずだが、カフェはやや昔の雰囲気がするのが不思議。ヒックス1965~は現代アメリカの画家で、キスの絵が多い