[今日の絵・5月後半]
16 Flemish School : The Mater Dolorosa
16世紀頃のベルギー、フランドル派の画家による「悲しみの聖母」、神話に託しているが、画家はこの美女を描きたかったのだろう、顔は悲しんでいる感じでもない
17 Tiziano : Woman with a mirror 1515
ティツィアーノはこれと同様の絵を何枚か描いているが、画家が理想としたふっくらとした女性美が見事に描かれている、女性が左の手にしているのは香水瓶か
18 Karl Joseph Stieler : Portrait of Cornelia Vetterlein 1828
描かれているコーネリア・フェッターライン1811-62は、おそらく後方の美しい城に住んでいる、表情全体に落ち着きがあり、眼がとても美しい。シュティーラー1781–1858はバイエルン公国の宮廷画家
19 François-Joseph Navez : 荒野のハガル1819
神話絵だが[旧約・創世記]、ハガルが美しい。ハガルはアブラハムの妻サラの女奴隷、さまざまなトラブルの後、息子とともに荒野に追放された。ナヴェス1787-1869はベルギーの新古典主義派画家、神話絵をたくさん描いた
20 Daniel Huntington : Italy 1843
「イタリア」というタイトルの意味は分らないが、おそらく神話絵として描かれている。ハンティントン1816-1906はアメリカの肖像画・宗教画家、描かれた女性は理想美なのだろう
21 Franz Xaver Winterhalter : Classy Lady
タイトルは「上品な洗練された女性」という意味だろうが、おそらく貴族の女性。ヴィンターハルター1805-73はドイツの肖像画家、宮廷画家、王侯貴族をたくさん描いた
22 William-Adolphe Bouguereau : Italian Girl at the Fountain 1870
ブグローにしては女性の表情がやや硬め、普通はもう少しふっくらとして微笑んでいるが、彼は、この女性はこの表情が一番美しいと感じたのだろう
23 Makovsky : Portrait of Lady 1870s
マコフスキー1839-1915の描く人物はどれも、その人の個性がよく捉えられている、この女性も「いかにも美人」には描かれておらず、普通に近所にいそうな人だが、じっと見つめていると、その気品ある美しさが浮かび上がってくる
24 Étienne Adolphe Piot : Femme dans un manteau1871
フードつきのマントを着ているのは少女だろう、祈る直前なのか、微笑んでいるが内省的で瞑想的な表情が美しい、ピオ1831–1910はフランスの画家、女性の微妙な微笑みを描いた絵が多い
25 Abbey Altson : Iris (青と金の刺繍のショールを被った若い女性の肖像)
リアリズムではなく神話絵か、タイトルの「Iris」には、(1)ギリシア神話の「虹の女神」、(2)眼球の虹彩、(3)アヤメ科の花、の意味がある。オルストン1866-1948は英国の画家
26 Luis Ricardo Falero:An oriental beauty (date unknown)
ルイス・リカルド・ファレーロ1851–96はスペインの画家で、ラブランサノ公爵だった、パリとロンドンで暮らし、女性のヌードを好んで描いた。この絵もひょっとするとオダリスクなのかもしれない
27 Vittorio Matteo Corcos : Portrait of Paolina Clelia Silvia Bondi 1909
コルコス1859 – 1933はイタリアの画家、描かれているシルヴィア・ボンディは、起業家カミッロ・ボンディの娘で、当時12歳の少女、ボンディ家の豪邸で描かれたと思われる
28 Wilfrid Gabriel de Glehn : Mademoiselle Querrio 1921
デ・グレーン1870–1951はイギリス印象派の画家、女性の肖像画をたくさん描いた。この「マドモアゼル・クェリオ」は国籍や階級は分らないが、普通に近所にいそうな美しい女性
29 William McGregor Paxton : Portrait of a Young Woman Holding a Book 1924
パクストン1869-1941はアメリカの画家、 美しい人物画、肖像画を描いた。この絵も、やや遠くを見ている眼差しの表情が美しい
30 Luis Claudio Morgilli : Yellow Hat
モルギリ1955~は現代ブラジルの画家、この絵は「黄色い帽子」を被った普通の女性だろう、昨日までのどの絵とも違って、現代人の顔だ
31 Piotr Topolski
タイトル不明、17世紀ヨーロッパの衣装を着せているが、明らかに現代人の顔、トポルスキー1960~はポーランドの画家、特有の表情の女性画で名高いが、ポーランド人のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の肖像画も描いている