[今日の絵] 7月後半

[今日の絵] 7月後半

16 Marie Élisabeth-Louise Vigée Le Brun:ポリニャック公爵夫人1783

エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン1755~1842はフランスの女性画家、マリー・アントワネット付きの肖像画家だった、ポリニャック侯爵夫人1749~93は上流社交界きっての美女の一人といわれ、豪奢な生活と浪費で有名、この絵では楽譜を手に

 

17 Karl Pavlovich Bryullov : トルコ人の少女1837

カール・ブリューロフ1799-1852はロシアの画家、卓越した技巧をもち、国際的な名声を得た初のロシア人画家、ローマに長く滞在し肖像画をたくさん描いた、この絵の少女も輝くような美しさが

 

18 John Frederick Lewis : turkish girl 1863

ジョン・フレデリック・ルイス1804–1876は英国の画家、中東や東洋趣味で知られる、 タイトルは昨日と同じ「トルコ人の少女」、モデルは別人で画家も描き方も異なるが、顔の雰囲気はどこか似ている、「トルコ人の顔」というものがあり、それが捉えられているのだろう

 

19 Franz Schrozberg : Portrait of a Lady with Transylvanian Jewellery

シュロッツベルク1811~89はオーストリア肖像画家、タイトルだが、この女性は首から肩に掛けた宝石を見せたくて微笑んでいるようにも見える、トランスシルヴァニアとはルーマニア中部の地方名、そこの宝石はとりわけ豪華なのだろう

 

20 Emile Munier : 若い女の子の頭1874

エミール・ムニエ1845~90はフランスの画家、子どもの可愛い絵をたくさん描いた、この絵の少女も、何かを訴えるような眼差しが印象的で、少女の深みのある可愛らしさがよく捉えられている

 

21 Makovsky : Female Portrait 1878

マコフスキーの描く人物画はどれも存在感がすばらしい、この絵の女性も、特別な美人を描いたのではないだろうが、個人としての彼女固有の美しさが見事に表現されている

 

22 Albert Edelfelt : The Parisienne(Virginie) 1883

アルベルト・エデルフェルト1854~1905はフィンランド写実主義の画家、子供、女性など人物を描いた、この絵のタイトルは「パリの女性、ヴィルジニー」、女性は首をかしげて微笑んでいる、画家が指示したポーズだろうが、この姿勢・表情を画家は描きたかったのだろう

 

23 Ettore Tito : Azzurri 1909

ティト・エットーレ1859-1941はイタリアの画家、生涯をヴェネチアで過ごし、ヴェネチアの人物や風景を描いた、この「アズーリ」は画家自身が特に愛着を持っていたそうだが、モデルはおそらく親しい知人なのだろう、気品ある美しさに画家の親しみを感じさせる

 

24 Philip de Laszlo : アナスタシア・ミハイロヴナ・デ・トルビー伯爵夫人 1913

ラースロー1869-1937はハンガリー出身の英国の画家、王侯貴族やローマ法王などを描いた、この絵はモデルの父であるロシアの公爵の注文で描かれた、貴族は国際結婚も多いのだろう

 

25 不明の画家 : Woman with white gloves 20世紀前半か

「白い手袋の女性」、描いた画家は分っていない、だが身近にいる一人の女性の、等身大の美しさが見事に捉えられているように思う

 

26 Aaron Shikler

アーロン・シクラー1922-2015はアメリカの肖像画家、ケネディレーガンなど有名人の肖像で名高い、この絵はタイトルがないが、たぶん有名人ではなく普通の女性だろう、横顔だが眼の輝きがとても美しい、肖像画家としての才能がこの無名人の絵からも見て取れる

 

27 Costantino di Renzo : Untitled (Sofonisba)

コンスタンティーノ・ディ・レンツォ1946~は現代イタリアの画家、タイトル不明だが、Sofonisba Anguissola1532~1625というルネサンス期の女性画家を描いている可能性もある、現代の身近な女性というより、どこか伝説的な女性の感じがする

 

28 Emmanuel Garant :

エマニュエル・ガラント1953~はカナダの画家、女性の絵をたくさん描いているが、どの絵もさまざまに異なる姿勢・体勢をしている、この絵も、この位置、この姿勢、この光の当たり方こそ、この女性が一番美しい、と画家は判断したのだろう

 

29 Vladimir Volegov :

ウラジミール・ヴォレゴフ1957~は、ロシア生まれのスペインの画家、昨日のガラントと同様に、さまざまに異なる姿勢・体勢の女性を描く人、この絵の女性は自転車に乗っているが、白い傘、横向きの顔、白服の広がり、車輪などの絶妙なバランスは、マティスの人体の「建築的均衡」を思わせる

 

30 Damián Lechoszest : Night Light

ダミアン・レチョスト1976~はポーランド生まれの画家、ヨハネ・パウロ二世など肖像画で有名、この絵は古い「常夜灯」を持っているが、明らかに現代の少女だろう、何かを見ている表情が美しい

 

31 Suchitra Bhosle

スチトラ・ボスレはインド生まれで現代アメリカの女性画家、女性の絵をたくさん描き、どれも肉体の「厚み」のある存在感がとても美しい