[折々の写真] 9・10月

[折々の写真 9・10月]

9.6『はちどり』2018 私が観た韓国映画の中では最高傑作。14歳のウニ(パク・ジフ)は家族愛に恵まれずグレかけたが、漢文塾の教師ヨンジ(キム・セビョク)と出会い救われる、ヨンジはソウル大院生のエリートだが学生運動で挫折した、彼女の本棚には韓国語訳『資本論』、友情と愛をこれほど深く描いた映画はめずらしい

 

9.13 アンナ・カリーナ、『女と男のいる舗道』1962、原題は「Vivre sa vie 好きなように生きる」、原題タイトルも素晴らしいが、私はゴダール映画ではこれが一番好き、カリーナ演じる「ナナ」の存在そのものがスタイリッシュで美しい、哲学者ブリス・パランとの対話も

 

9.20久我美子また逢う日まで』1950のガラス越しのキスシーンが有名だが、小津の家族ドラマ『お早う』の初々しい「節子」もよかった(左は佐田啓二)、もともと華族の出というが、育ちのいいお嬢さん役が似合う

 

9.27 ロミ―・シュナイダー1938~82は高貴な女性を演じたら最高の女優、ヴィスコンティ『ルードヴィッヒ』は本当に素晴らしかった、その澄んだ蒼い眼が美しい、43歳での悲惨な事故死は本当に残念

 

 

10.4『ローマの休日』1953、監督のウィリアム・ワイラーは、撮影カメラのファインダーの向こうに、当時まだ無名の女優オードリー・へプバーンを覗きながら、思わずこうつぶやいた、「まもなく、世界中が彼女に恋をするだろう!」、そしてそうなった

 

 

10.11フランソワーズ・アルヌール1931~2021、ジャン・ギャバンと共演『ヘッドライト』、フランスのレジスタンスを闘い、最後は所属組織に殺される悲劇『女猫』など、名作に出演、スカートの奥に機密文書を隠すシーンは息をのむ美しさ

 

 

10.18 ナタリー・ウッド1938~81、ジェイムズ・ディーンと共演した『理由なき反抗』や『ウェストサイド物語』が有名だが、私はエリア・カザン『草原の耀き』が彼女の代表作と思う、事故死(殺人?)は悲しい

 

10.25ボナム・カーター 写真は『レディ・ジェイン』『鳩の翼』『天使も踏むを恐れるところ』、時代もののヒロインを演じたら最高の人、1998年、私は恵比寿で上映された『十二夜』で初めて見た後、「早くVHSを!」と東北新社に手紙を出した記憶がある