[今日の絵]  11月後半

[今日の絵]  11月後半

19 Pieter Bruegel : 農民のダンス 1568

西洋絵画には広義の「社交」がたくさん描かれている、お祭り、舞踏会、各種祝宴、食事会、お茶会、学会など、人々が集まり出逢う機会は重要だった、西洋のカップル文化も、こうした社交の長い歴史的伝統の上に形成された

 

20 Dirck Hals : Merry Society

ディルク・ハルス1591-1656はオランダの画家、「社交」は英語で「society」、この絵のタイトルは「お祝いの集まり」、このような社交の場で、人々は家族ぐるみで出逢い、若者たちはその中で将来のパートナーを見つける

 

21 Johan Zoffany : ウフィツィ美術館の審査会1775

おそらく、一般客ではなく関係者が集まっているのか、「社交=society」とは、不特定多数ではなく許された参加者の集まり、「王立協会Loyal Society」やこうした美術サロンは「社交」の重要な場、ヨハン・ゾファニー1733-1810はドイツ出身の新古典派画家

 

22ウィリアム・ホガース:ウォンステッド家の集合1730

上流階級の家族、親戚が集まっているのだろう、核家族化はヨーロッパ各国で早い遅いの違いはあるが、英国は比較的早くから結婚した子はそれぞれが核家族を作ったと言われている、作者1697~1764はロココ期の英国の画家

 

23 Luigi Cavalieri : A Pleasure to Dance

「ball=舞踏会、ダンスパーティ」は、ジェイン・オースティンの小説からも分るように、貴族から農民まで「社交」の一番メインの場、ルイジ・カヴァリエーリ1869-1940はイタリアの画家、この絵の舞踏会光景は18世紀終り頃のものだろう、踊っているのは貴族階級か

 

24 Charles Wilda : The Ball 1906

これはタイトルもずばり「The Ball ダンスパーティ」、昨日の絵と違って20世紀初頭、服装から分るように、ごく普通の中産階級の市民だろう、シャルル・ヴィルダ1854-1907はオーストリアの画家、オリエントの絵が多いがこれは生粋のヨーロッパ

 

25 Renoir : ムーラン・ド・ラ・ギャレット 1876

画家の代表作の一つ、上流の社交場というわけではなく、庶民も多い、木蔭で踊れるこのダンスホールにいる男女は、ルノアールの仲間たちがかなりいて、女性も男性も描かれた主要な人物は誰だか分っている

 

26 Hans Thoma : Children’s Roundalay 1872

ハンス・トーマ1834-1924はドイツの象徴主義の画家、子どもたちは歌いながら輪を作って踊っている、生き生きとした動きと表情がいい、この輪は女の子が多いけれど、「社交」は小さなころから行われている

 

27 Arthur Melville : The Lawn Tennis Party at Marcus 1889

スポーツも社交、アーサー・メルヴィル1855-1904はスコットランドの画家、オリエントの絵が多いがこれはイギリス、タイトル「マーカスでの芝生テニスパーティー」のうに、上流階級の間でテニスはかなり盛んだったのだろう、コートに立つ女性も優雅な動き

 

28 Klimt : The Old Burgtheater 1889

ウィーンの「ブルグ劇場」が建て替えのため、クリムトは記録の絵を依頼された、観劇やオペラもまた社交の一環である、ボックス席には上流階級の人々が男女で鑑賞するので、誰が誰と来ているか、興味と噂の種になる、この絵も、貴族や上級ブルジョアジーの人々を活写

 

29 René Rousseau-Decelle : Le Palais de glace 1909

スケートはヨーロッパでは古くから社交、ルネ・ルソー・デセル1881 – 1964はフランスの画家、タイトルは「氷の王宮」、座っている人々は上流階級の優雅な女性、友人が滑るのを見るのも楽しい、滑っている人々も、スピード感があって動きがとても美しい

 

30 Fred Calleri : Life was meant for good friends and great adventures

タイトルは「人生の意味は良き友人と大胆な冒険にあり」、スポーツはまさに社交であり友人関係そのものが目的なのだ、これは楽しそうな女性三人組、フレッド・カレリ1964~は現代アメリカの画家