[今日の絵] 10月後半
19 Pieter Saenredam : Interior of Saint Bavo, Haarlem 1631
「教会」は西洋絵画で多く描かれた建築の一つ、「教会」は神社仏閣と同様、人々が「超越界」と繋がる特別な空間で、思い入れの多い場所、高い天井が超越界を感じさせ、人々の新鮮な驚きの表情、オランダの都市Haarlem
20 André Giroux : Santa Trinità dei Monti in the Snow 1827
ローマにある聖トリニタ・デイ・モンティ教会、教会の絵には(たとえ小さくとも)人間が一緒に描かれている、そこに人間がいなければ超越界に出合わせることもできないから
21 William Wyld : Milan Cathedral from the Side Street 1834
後方は、ミラノの大聖堂と呼ばれている有名な教会、塔の数が多い、それぞれが超越界を志向しているのか、横丁の人々を見下ろすように聳えている、画家1806-1889は英国人
22 Albert Seel : Cloister at Halberstadt Cathedral 1860
ドイツ・ハルバーシュタット大聖堂の修道院回廊、13~15世紀に建てられた、後方の壁の絵の前には蝋燭が灯る、降雪があったが、修道女たちの表情はどこか寂しげ
23 Monet : Vetheuil, The Church 1878
1878年モネは、セーヌ河畔のアルジャントゥイユからやはりセーヌ河畔のヴェトゥイユへ転居、田舎の古びた教会だが、空の色と呼応して色彩が美しい、モネでなければ描けない教会の絵
24 画家不詳 : ケルン大聖堂 1880
1248年に建設が始まったが、なかなか完全な完成には至らず、完成は何と1880年、この絵はたぶんその祝祭か、1996年に世界遺産に登録され、今は年間600万の観光客が訪れる
25 Cornelis Springer : Life outside a church in Hamelen, Holland
タイトルは「教会の周りに生きる人々」、ごく普通の街中の教会だが、集まっている人々が親密で暖かい感じ、これがあるべき教会の姿だろう、作者1817-91はオランダの風景画家
26 Munch : Old Aker Church 1881
昨日の絵と違って、ムンクが描くと、どういうわけか家も教会も全体が寂しくなってしまう、教会の絵には珍しく人間が一人も描かれていない、アーケルはノルウェイの村
27 Pissarro : The old market at Rouen
タイトルは「ルーアンの古い市場」だが、人々を見おろしているような教会が一緒に描かれている、そして、ピサロの街の絵はいつも人間を描く視線が暖かい
28 von Hormann : グムント市の門
「市の門」だが建物の上部は教会も兼ねているのか、人々の静かなたたずまいが美しい、作者1840-95はオーストリアの画家
29 Félix Vallotton : Route à St Paul 1922
描かれている人から察するに、当時も今も、キリスト教徒ならば、自分が教会を「見る」とき、同時に教会からも「見られて」いるように感じるのではないか、教会は高い位置にあって「超越界と繋がる」場所だから
30 Detlef Nitschke : 山の牧草地を通る行列
山間部の村の祝祭の行列だろう、教会にちょっと挨拶しているようにもみえる、Detlef Nitschke 1935~はドイツの画家
31 Joseph Edward Southall : Italian Lakeside Village 1924
小さな村だが、教会や家々が湖に映って美しい、サウソール1861-1944は英国の画家で、普通の油絵ではなくテンペラ画をたくさん描いた