[今日の絵] 11月後半
16 Cesare Saccaggi : Preludes 1914
「男と女」は、絵画のみならず文学・芸術一般の人気テーマ、この絵、曲だけでなく恋も「プレリュード」なのか、ハープの女性は、楽譜を見ながらも二人の気配をうかがっており、男と女はつねにデリケートな関係にある。サッカージ1868-1934はイタリアの画家
17 ジャニー・ウッデン : レッツ・ダンス
「踊り」とは、結局、<男と女>という関係性そのものの喜びの表現にほかならない、この絵からそれがよく分る。ウッデンは現代アメリカの女性画家
18 Frances Tipton Hunter
左の男の子は、勉強のよくできる女の子から教えてもらっている、でも気持ちは上の空で、彼は彼女自身に深い関心を寄せている。フランソワーズ・ティプトン・ハンター1896-1957はアメリカの女性画家
19 Karl Witkowski1860–1910 : First love 1901
絵でも小説でも「初恋」は19世紀~20初頭には多く描かれたが、現代ではそれほどでもない、最近は、そもそも「恋愛」はよいもので誰もがすべきものとは思われなくなったのか、この絵は子どもの「初恋」、カップル文化の西洋だからこそ
20 Henri Martin : The Lovers
おそらく二人とも若くはないが初恋なのだろう、恥ずかしげに両手で握り合うなど、初々しく、瑞々しい、マルタン1860-1943はフランスの新印象派の画家
21 Herbert Wilson Foster : Country Courtship
タイトルがいい、そりゃ田舎道でも、デートのときはちょっと恥ずかしい
フォスター1846-1929はイギリスの画家
22 Pietro Gabrini : The Fisherman's Net..
漁村だって恋は日常、漁師の息子も娘もなかなかの美男美女、二人の眼差しも妙に色っぽい、 昨日のイギリス人と違って、イタリア人の恋は「濃い」ようだ、ガブリーニ1856-1926はイタリアの画家
23 Leonard Campbell Taylor : Patience 1906
「ペイシェンス」で一人占いをしているのだろう、主題はたぶん「恋」、後ろで見ているのはおそらく彼氏、二人の表情からして、占いの結果は「凶」なのか
24 Richard Bergh
絵画では、男と女がただそこに存在するだけで、何らかの関係性が表現されている。この二人は夫婦か恋人だろう、だが二人の間には何か緊張感が漂っている、リッカルド・ベリ1858-1919はスウェーデンの画家
25 Edward Cucuel 1875-1954 : Farewell
「やっぱりだめなのか・・」、男性の深い失望の表情、女性の左頬からもその暗い表情が推察される、恋にはいつか「別れ」が来る
26 Pierre Bonnard
この男女の関係はどういう局面なのか、左の中年男性は「パパ活」をもちかけているが、彼女は思案中なのか、それとも、父親が娘に結婚を勧めているのか
27 Vladimir Makovsky : Despedida1894
(1846 – 1920) タイトルは「別れ」、父と娘、嫁に行く娘は泣いている、父と娘も男と女の深い関係だ
28 ハンガリーの画家による : 離婚 1892
「離婚」も絵画の重要な主題、男と女が「結びつく」時はたいがい対等だが、「別れる」時は概して対等ではなく、一方が捨てる/捨てられる関係になることも多い、妻/夫のどちらかが「より多く嘆く」のが離婚
29エリック・ブルス:離婚
捨てられる夫は女々しく泣いているが、セクシーな妻は、さっそうと去っていく姿がカッコいい。ブルス1956~は現代フランスの画家
30 Ilya Repin : What a Freedom 1903
タイトルがいい、「恋愛は、自由と必然性の統一」(キルケゴール)だ。二人は恋人なのだろう、二人で海の荒波にちょっと入ってみることは、何という大きな喜び